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「和食さと」のSRS、すしチェーン「うまい鮨勘」を取り込み、成長を加速

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写真はイメージです

飲食店「和食さと」「家族亭」「宮本むなし」などを展開するSRSホールディングス<8163>は2024年7月に、すしチェーン「うまい鮨勘」を運営するアミノ(仙台市)を子会社化する。

SRSは関西を地盤としており、アミノの子会社化を機に東北地域に本格的に進出するとともに、両社の仕入力や店舗運営力などを互いに活用し、仕入原価の低減や、事業の拡大などを加速する。

SRSは2026年3月期を最終年とする3カ年の中期経営計画で、売上高を残り2年で140億円積み上げ、740億円に引き上げる目標を掲げる。この目標の達成に「大きく貢献できる」と判断し、M&Aに踏み切った。

M&Aが目標達成を左右

アミノは「うまい鮨勘」をはじめとする飲食店を東北地域を中心に、2024年4月末時点で国内31店舗、海外2店舗を展開している。

市場直送の鮮魚を店舗で調理し、新鮮なネタを寿司職人が握るスタイルを取り、高い商品力を活かした豊富なメニューなどに特徴がある。

SRS が公表した資料によると、アミノの2023年3月期の売上高は55億4500万円で、前年度より15.5%増加した。2026年3月期も同水準の売上高であれば、中期経営計画達成のために必要となる上積み額(140億円)の3分の1強をアミノが埋めることなる。

さらにSRSでは同社の資金力や店舗開発力を活かし「うまい鮨勘」の積極的な出店を計画している。

一方、利益の方はやや厳しい状況にある。SRSは2026年3月期に30億円の経常利益目標を設定しており、今後2年間で8億3800万円の上積みが必要だ。

アミノの2023年3月期の経常利益は1億5400万円で、2026年3月期も同水準であれば、上積み額の20%弱に留まる。新規出店によってどこまで利益を伸ばせるのか。アミノの成長が中期経営計画の達成を左右する可能性もありそうだ。

【アミノの業績推移】単位:億円

決算期 売上高 営業損益 経常損益 当期損益
2021/3 41.63 -3.04 -2.63 -5.88
2022/3 48.00 -1.23 2.54 2.02
2023/3 55.45 1.01 1.54
-0.25

オーガニックな成長にも注目

SRSは「和食さと」などのほかに「天丼・天ぷら本舗 さん天」「にぎり長次郎」「かつや」「得得」などの和食を中心とした外食店を運営しており、店舗数は2024年4月末時点で、国内737店舗 、海外24店舗に達する。

中期経営計画では、今回のようなM&Aのほかにテイクアウトやデリバリーなどの新業態の開発や、業態転換などを進めている。

2024年3月期の売上高は602億2800万円(前年度比10.5%増)、経常利益は21億6200万円(前年度は6億6900万円の赤字)で、2025年3月期は6.3%の増収、6.4%の経常増益を見込む。

中期経営計画の達成には、非連続な成長をもたらすM&Aはもちろん、新業態の開発や業態転換などによるオーガニック(自社の経営資源の活用)な成長も重要な要因となる。

SRSホールディングスの業績推移
2025/3は予想、2026/3は計画

文:M&A Online

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