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映画やアニメでM&Aを積極化「東宝」大型案件は別枠で

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東宝日比谷ビル(HauLar/Shutterstock.com)

東宝<9602>がM&Aで攻勢をかけている。同社は2024年5月28日に、傘下のTOHOスタジオ(東京都世田谷区)を通じて、映画やテレビなどの映像制作を手がけるドラゴンフライエンタテインメント(東京都新宿区)を子会社化することを決めた。

この5日前の5月23日には、アニメーションスタジオのサイエンスSARU(東京都武蔵野市)の子会社化を発表したばかり。

2022年4月に策定した「中期経営計画 2025」で、M&Aを含む成長投資の強化方針を打ち出しており、同計画期間中の3年間に、映画やアニメ、新規IP(知的財産)創出などのコンテンツ関連などをはじめとする成長分野に合計で1100億円を投じるほか、大型のM&Aについては別枠を設けた。

同社はこの中期経営計画と合わせて、創立100周年に当たる2032年に向けた「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」も策定しており、長期に渡って映画やアニメなどのコンテンツの事業強化のために、M&Aを含めた積極的な投資を計画している。

M&A攻勢はまだまだ続くことになりそうだ。

7件のM&Aを実施

「中期経営計画 2025」では、コロナ禍後の成長を実現するため、2023年2月期から2025年2月期までの間を、投資に力を入れる期間と位置付ける。

この方針に沿って初年度に2件、2年目に3件、今回2件のM&Aを実施しており、同計画中のM&A件数は合計7件に達した。

2024年6月に傘下入りを見込むドラゴンフライエンタテインメントは、2019年公開の「屍人荘の殺人」や、2024年5月公開の「碁盤斬り」など多数の映画制作実績を持つ。同社をグループ化することで、映像制作機能を一層強化することができると判断した。

また、同じ6月にグループ化するサイエンスSARUは、2017年公開の「夜明け告げるルーのうた」や、2022年公開の「犬王」などの作品で知られている。同社のグループ化で、質の高いアニメーションの制作能力を強化し、アニメ事業の成長スピードを加速させることができるという。

発表年月 東宝の中期経営計画中の主なM&A
2022年9月 コンテンツ企画・制作のTIAを子会社化
2022年9月 広告プロモーション企画・制作などのエイド・ディーシーシーを子会社化
2023年7月 カカクコム傘下で映画のデジタルプロモーションを主力とするガイエを子会社化
2023年9月 コンサート用舞台装置製造を主力とするエイシン工芸を子会社化
2023年12月 東京楽天地をTOBで子会社化
2024年5月 アニメスタジオのサイエンスSARUを子会社化
2024年5月 映像制作会社のドラゴンフライエンタテインメントを子会社化

1年前倒しで目標を達成

こうした取り組みで、最終年の2025年2月期に、過去最高の528億円を超える営業利益を目指す計画だ。

現中期経営計画初年度の2023年2月期の営業利益は448億8000万円にとどまったが、2年目の2024年2月期には営業利益が592億5100万円と大きく伸び、1年前倒しで目標を達成した。

2025年2月期は550億円と7.2%の減益を予想するが、それでも目標数値は超えてくる。

「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」では、2032年に営業利益750億~1000億円を目指しており、この数字が次の目標となりそうだ。

【東宝の業績推移】2025/2は予想

決算期 売上高(億円) 営業利益(億円)
2022/2 2283.67 399.48
2023/2 2442.95 448.80
2024/2 2833.47 592.51
2025/2 2800.00 550.00

文:M&A Online

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