大学発ベンチャーの「起源」(62) Smart119 

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現場の視点から緊急医療の課題を解決する

さらに同社はメールや電話に頼っていた医療スタッフの集合要請を迅速化するために、スマートフォンやタブレットで情報共有する「救急時職員呼び出しシステム」を開発した。

操作をシンプルにし、すでに配布済みのパソコンやデジタル端末だけで利用できるのが特徴。デジタル端末の画面を数回タップする(たたく)だけで、求める医療スタッフを直ちに呼び出しできるようになった。

災害派遣チーム(DMAT)の育成機関である大阪府泉州救命救急センターと、中田社長が勤務する千葉大附属病院救急医療センターで試作実装し、より現場で使いやすい仕様に改良を重ねる。

2020年12月、救急車が到着する前に必要な医療スタッフが集合し、緊急手術が必要な場合は専門医が準備を整えた望ましい態勢で受け入れ可能となる「Smart ACES(アキュート・ケア・エラステック・システム)」の提供を始めた。ACESの導入病院では、同じ職員数で緊急受け入れ件数が増えたという。

同月には千葉大大学院医学研究院救急集中治療医学、同大フロンティア医工学センターとの共同研究でCRT(毛細血管再充満時間)測定装置の試作機開発に取り組むと発表した。

敗血症の判定に役立つCRT測定装置の試作機(同社プレスリリースより)

高齢者を中心に、細菌やウイルスへの過剰反応から多臓器不全に至る敗血症患者が急増している。CRTは敗血症の重症化判定に適しており、正確に測定できる携帯型装置の提供を目指す。CRT測定装置は救急・集中治療や災害の現場で多くのニーズがあり、医療現場の期待も大きい。

文:M&A Online編集部

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