​【法務】対内直接投資等に該当する行為の見直し等

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 外国為替及び外国貿易法(「外為法」)27条1項の規定に基づく事前届出及び外為法55条の5に基づく事後報告が必要となる対内直接投資等に該当する行為について、見直しを行なう改正がなされました。具体的には、現在届出対象となっている、外国投資家による特定の業種を営む日本企業の発行済株式総数の10%以上の株式の取得等に加え、①総議決権数の10%以上を取得する行為、②他の株主が保有する議決権の代理行使を受任し、10%以上の議決権を保有する行為等が対内直接投資等に準ずる行為として追加されました。これらの措置は、昨今の投資手法や経営への関与手法の多様化に対応するものであり、発行済株式総数の10%以上を保有していなくとも、例えば(i)他の株主から議決権の代理行使を受任したり、(ii)他の株主に議決権なしの種類株式を発行することで10%以上の議決権を行使し得る場合、(iii)議決権取得後に合算して総議決権の10%以上となる共同議決権行使に係る同意を取得する場合において、事前届出又は事後報告が必要となります。インバウンドM&Aに与える影響は小さくないと思われるため、留意する必要があると思われます。

パートナー 大石 篤史
アソシエイト 加藤 瑛子

森・濱田松本法律事務所 Client Alert 2019年10月号 vol.70より転載

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