DECEMBER 2018

ドイツ政府は、外国貿易管理令に基づき、非EU投資家によるドイツ企業の買収を阻止する権限を拡張しました。 

従前は、非ドイツ企業による軍事及び暗号技術に関する事業を営むドイツ企業の買収と、非EUあるいは非EFTA(欧州自由貿易連合)企業によるその他の事業(「重要インフラ事業」(critical infrastructure)を含む)を営むドイツ企業の買収のうち、ターゲットとなるドイツ企業を議決権ベースで25%以上買収するものについて、ドイツ政府は、外国貿易管理令に基づき審査を行うことが認められていました。 

今般、ドイツ政府は、①上記の基準を軍事、暗号技術及び重要インフラ事業を営むドイツ企業について、25%から10%に引き下げ、②「重要インフラ事業」の定義を報道関係事業にまで広げました。 

今回の規制変更は、ドイツ政府が、年初に起きた中国企業による電力系統を営むドイツ企業の少数持分(20%)の取得を阻止できなかったことを契機としており、ドイツ政府が外国投資家による重要インフラ事業を営むドイツ企業の買収の可否について決定する意向を有していることを示唆するものです。なお、現時点では、ドイツ政府が特定の外国投資家等を標的としていることを示す動きは見られておりません。 

本アラートは、現在世界的な動きとなっている国家安全保障の観点から海外投資家による買収を牽制する動きがドイツでも起きていることを示すものであり、海外投資を考えている日本企業にも関心のあるトピックと考えられることから、紹介する次第です。詳細は、"Germany Expands Its Powers to Block Takeovers by Foreign Investors" (オリジナル(英語)版)をご参照下さい。

弁護士 森 雄一郎

ジョーンズ・デイ法律事務所 アラート「ドイツ、海外投資家による買収を阻止する権限を拡張」 より転載

ここに記載されている見解および意見は執筆担当者の個人的見解であり、法律事務所の見解や意見を必ずしも反映するものではありません。