経済産業省の事業再編研究会は、2020年4月20日開催の第5回会合で、事業再編実務指針案(「本指針案」)を公表しました。さらに、同年5月22日開催の第6回会合では、本指針案にポストコロナの事業再編等の内容を追加するともに、事業再編研究会報告書「今後の検討課題」案(「本報告書案」)を公表しました。
日本企業では、スピンオフや事業売却等によるノンコア事業の切出しに消極的な傾向があると指摘されています。そうした背景の下、本指針案では、経営陣、取締役会・社外取締役に求められる役割や、投資家との対話や情報開示の在り方等が示されています。また、本指針案をベースに今後作成される事業再編実務指針においては、企業の持続的成長に向けた事業再編を促進するため、経営陣、取締役会・社外取締役、投資家それぞれの視点から、コーポレートガバナンスを有効に機能させる方策を整理し、事業の切出のベストプラクティスを示すことが予定されています。
また、本報告書案では、事業再編の促進のために、スピンオフ税制の拡充等を求めるほか、自社株式対価M&Aに関する税制措置を創設するべきであるとの意見が取りまとめられています。
経済産業省は、2020年6月末を目途に、事業再編実務指針を含む事業再編研究会報告書の公表を行う予定です。本指針案及び本報告書案については、経済産業省のウェブイト(第6回事業再編研究会開催日2020年5月22日)をご参照ください。
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/jigyo_saihen/006.html
パートナー 大石 篤史
アソシエイト 齋藤 悠輝
最終契約は、M&Aで交わす契約のうち最も重要な契約書です。株式移転の場合は「株式移転計画書」を締結します。相手はまだ存在しない会社なので「契約書」にはなりません。