与党税制大綱、中小再編に関する新税制も
自民、公明両党は12月10日、2021年度の与党税制改正大綱を正式決定した。M&A関連では、株式対価M&Aを促進する新たな措置や、中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設などを明記した。
2020年12月21日に令和3年度税制改正大綱が閣議決定され、株式対価M&Aを促進するための措置が創設されることとなりました(令和3年度税制改正大綱42頁以下)。
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2021/20201221taikou.pdf
上記の株式対価M&A促進措置は、2019年12月に成立した改正会社法により、組織再編行為に追加された「株式交付」の制度に対応した税制改正となります。新税制の下においては、個人及び法人が、「株式交付」により、その保有する対象会社の株式を譲渡し、「株式交付親会社」(「株式交付」により新たに対象会社の親会社となる株式会社をいいます。)の株式等の交付を受けた場合、当該株式の譲渡損益への課税が繰り延べられることとなります。
なお、税制改正大綱は、上記措置に関して、株式に加えて金銭等の資産を対価(混合対価)とする場合の取扱いについても示しています。すなわち、対価として交付を受けた資産の価額のうち、「株式交付親会社」の株式の価額が80%以上であることが、課税繰り延べの条件とされているという点に特に留意が必要となります。
パートナー 大石 篤史
アソシエイト 齋藤 悠輝
自民、公明両党は12月10日、2021年度の与党税制改正大綱を正式決定した。M&A関連では、株式対価M&Aを促進する新たな措置や、中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設などを明記した。
事業譲渡は会社法上の組織再編行為に該当しないため、税務上は会社分割に比べて不利と言われていますが、株式譲渡と並んで利用頻度の高いM&A手法です。今回は事業譲渡にかかる税金について解説します。