-本書では東電を連想させる「首都電力」に対し、主人公の鷲津政彦(ハゲタカ)が買収を仕掛け、政官財との迫真の攻防が続きます。
本来、電力事業ほど儲かるビジネスはない。電力の安定供給と引き換えに地域独占という特別待遇を与えられ、絶対に損をしない収益構造を持つからだ。一種の国策会社だけに、平時であれば、電力会社の買収は難攻不落といえるが、有事のあの時なら可能だと思った。
日本には電力会社が北海道から沖縄まで全国に10社ある...
東芝が紆余曲折の果てに半導体子会社を売却して3カ月が過ぎた。「虎の子」と呼ばれた東芝メモリを売却せざるを得なくなったのが、原子力事業を手がけていた子会社の米ウェスチングハウスの経営破綻に伴う巨額の損失だった。その会計処理には問題が多かった。
再生可能エネルギーに「逆風」が吹き始めている。普及促進のためのFITにより、既存の火力発電や原子力発電に比べて割高で、エネルギー市場での競争力がないというのだ。再生可能エネルギーはコスト競争に勝てるのか。橘川武郎東京理科大学大学院教授に聞いた。
東芝が原子力発電事業から事実上撤退し、日本政府が地球温暖化対策の要として展開してきた原発輸出にもブレーキがかかった。国内原発の多くは再稼働しておらず、逆風は相変わらずだ。そこで橘川武郎東京理科大大学院教授に今後の原発ビジネスについて聞いた。