台風の影響で2019年10月の売上高が30%減少

チョコレートらーめん
チョコレートらーめんの開発などSNSの拡散力を活用したプロモーションを実施(画像は決算説明資料より)

そんな利益追求型の新体制で臨んだ幸楽苑に、また新たな災難が降りかかります。2019年の台風19号の水害により、郡山工場が操業停止に追い込まれたのです。食材が提供できないことで11日間の限定営業を余儀なくされました。下の表は月次推移(前年同月比)です。

〇2020年3月期既存店月次売上推移

上期累計10月11月
売上高102%69.3%88.2%
客数101.5%71.1%88.6%
客単価100.4%97.6%99.6%

10月の売上高は70%を割っています。この出来事が今回の大量閉店への引き金となりました。

同社は閉店によって広告・物流費などの販管費が削減され、人材の有効活用が可能となって収益率は向上すると説明しています。

しかし大量閉店が怖いのはそこではなく、特別損失の方です。

基本的にどのような店舗であっても、閉店はタダではできません。出店の際に取り決めた契約期間や、原状復帰などの縛りがあり、その分を穴埋めする費用が発生します。また、51店舗分の固定資産が引き抜かれるため、固定資産除去損が計上されます。

幸楽苑は2019年12月から2020年4月にかけて閉店をするとしていますが、50店舗は今期中に実施されます。

〇閉店予定
・2019年12月 30店舗
・2020年1月 7店舗
・2020年2月 12店舗
・2020年3月 1店舗
・2020年4月 1店舗              

幸楽苑の2020年3月期上期の純利益は5億2200万円でした。通期で11億円の純利益を見込んでいます。順調に進んでいれば、達成していたかもしれません。しかし、台風による工場の操業停止、50店舗閉店のことを考えると、今期で数億円の損失、あるいは2018年3月期のように2桁億円規模の損失を出してもおかしくはない状況です。目先の業績の悪化は免れないと考えられます。

幸楽苑は長期的な成長戦略として、M&Aによる拡大を明確に打ち出していました。不採算店舗を閉店して固定資産を圧縮し、のれんの計上に備える。今回の措置は、新たな成長戦略に向けた布石ともとることができます。

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