シナジー効果は1+1が2ではなく3にも4にもなることと説明されます。資本提携や事業統合などのM&Aもそうした相乗効果を期待して行われる面が大きいといえます。

ただし、企業活動の中でシナジー効果が表れる部分は多種多様です。どのシナジー効果に着目して行われるM&Aなのかを明確にしておくことは、M&A戦略の立案においても、他社の動向分析においても、不可欠な要素といえるでしょう。そこで今回は、シナジー効果にはどのような種類があるのかについて、改めて確認してみたいと思います。

販売面におけるシナジー効果

シナジー効果はいくつかに分類することができます。その中でも一番イメージしやすいのは、売り上げの増加に直接つながる「売り上げシナジー」ではないでしょうか。

例えば、関東圏で大きなシェアを持っている事務器機メーカーA社が関西圏で法人顧客を多く有するB社を買収したケースを考えてみましょう。これによりA社は関西圏でも事務機器のシェアを拡大していくことが予想されます。

この場合、A社とB社の売上規模が連結決算で単純に合算されるだけでなく、A社が新たな販路を獲得したことによる売上増が見込めます。つまり、1+1が2よりも大きくなるシナジー効果が見いだせるという訳です。

また、B社が提供している製品やサービスを関東圏でも展開できる可能性があります。こうなると、関東圏の顧客にも関西圏の顧客にもA社製品に加えB社の製品あるいはサービスを合わせて提供できる可能性があります。このようなクロスセリングもシナジー効果の一種といえます。

同種の製品やサービスを扱っている会社同士でも、どちらかが上位機種あるいは高価格帯のサービスというケースがあります。そのような会社同士が事業提携した場合、顧客のニーズに応じて提案の幅が広がるため、顧客単価や成約率の向上に寄与することが考えられます。こうしたアップセルやダウンセルもシナジー効果の賜物といえるでしょう。