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意外な子会社 紀州鉄道|不動産業の「逆転の発想」

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のどかな田園地帯を走る紀州鉄道(maxxum/フォトライブラリー)

「鉄道」の名を借りて得た信頼

紀州鉄道の終着駅「西御坊」(auag0130/写真ac)

1970年代以降、実態としては鉄道ではなくリゾート開発に傾注していった紀州鉄道は、事業の実態をより明快に示すべく「鉄道」の2文字を看板から外す選択があったかもしれない。だが、鶴屋グループ側・紀州鉄道側どちらの意向が強かったのかはわからないが、「鉄道」の2文字を外すことはしなかった。

わずか数キロ、巨大な紀伊半島とその海岸線を走るJR紀勢本線から見れば、まるで“盲腸”のような小さな路線でも、「不動産業にとって『鉄道』の2文字は捨てられない魅力がある。外すべきではない」と考えたのだろう。

関西を見渡しても、阪急不動産(現阪急阪神不動産)や近鉄不動産といった社名は、鉄道会社を想起させるからこそのブランド価値がある。

同様に、鶴屋グループ・紀州鉄道双方にとって、「鉄道」の2文字は「プライスレスな価値」があったのだろう。鶴屋グループにしてみれば、日本で最も短い路線であっても「鉄道」の社名がもたらす信頼感・安心感は確かに大事にしたいところだ。紀州鉄道にしてみれば、そもそもの創業が鉄道である以上、どのように事業転換したとしても「鉄道」の2文字への愛着があったはずである。

紀州鉄道は鶴屋グループの傘下に入って以降、小さな鉄道事業を大事に維持しつつ、リゾート事業をより積極的に展開してきた。そして今日に至る。

文:M&A online編集部

M&A Online編集部

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