2.総数引受契約書作成時の注意点

総数引受契約書を作成する際には、以下のような点に配慮しましょう。

2-1.申込書に書くべき事項を明記する

第三者割当増資を行うときには、まず株式の引受人が募集会社へ引受の申込みをしなければなりません。法律上、申込書には以下の事項を記載する必要があります(会社法203条2項)。

・引受人の氏名または名称
・住所
・引受けようとする募集株式の数

総数引受契約書にも、最低限上記の内容は入れておくべきです。

2-2.第三者割当増資の実施要領

契約書ですから予定している第三者割当増資の具体的な実施要領と引受対象の株式が特定されていなければなりません。

発行を予定している株式の種類や数、払込金額、本件増資によって増加する資本金と資本準備金の金額を契約書上で明らかにする必要があります。

2-3.払込方法

次に、募集株式の「対価の払込方法」も定めねばなりません。第三者増資の株式の対価支払い方法には「金銭による払込」と「現物出資」があります。現物出資とは、お金ではなく資産などの財物を引き渡す方法です。この契約書では金銭払込を前提にした記載としています。また「払込期日」も定めましょう。

2-4.取締役会決議、株主総会決議について

第三者割当増資を行う際には、募集会社は取締役会決議または株主総会特別決議を実施する必要があります。取締役会設置会社では取締役会決議が優先され、非公開会社では株主総会特別決議が必要です。

そこでは法律上、以下の内容を決議しなければなりません(会社法199条、201条)。

・募集株式数
・払込金額または算定方法
・現物出資する際にはその旨と払い込み財産の内容、価額
・金銭の払込みまたは財産給付の期日または期間
・増加する資本金及び資本準備金に関する事項

契約書でも日付を特定して取締役会決議が行われたことを明らかにしましょう。そして契約書に「取締役会議事録」を添付すべきです。

このひな形では、取締役会のみならず臨時株主総会でも第三者割当増資が行われることが了承された前提となっています。

第三者割当増資を行うと、既存の株主の株式保有比率が低下して既存の株主の反発を買うリスクがあります。スムーズにM&Aを進めるには、臨時株主総会を開いて第三者割当増資の必要性やメリットを説明し、株主の納得を得ておくのが望ましいのです。また登記申請をするとき、株主総会議事録も必要です。