「株式」の法務デューデリジェンス(DD)とは?
法務デューデリジェンス(DD)における株式パートのチェックポイントを解説。株式に関するDDが不十分だった場合には、M&Aの有効性自体に問題が生じる事態も想定されるため、特に慎重な確認が必要です。
2024年10月17日、東京証券取引所(「東証」)は、従属上場会社における少数株主保護の在り方等に関する研究会(第2期)第6回会合を開催し、親子上場等に関する考え方と今後の方針案を公表しました。
東証は、実質的な支配力を持つ株主を有する上場会社を巡る課題があるとして、有識者による研究会を開催し、少数株主保護のための施策を進めてきました。10月17日の会合資料では、親子上場等に対する考え方と方針の案として主に以下を示しました。
(1) 親子関係や持分法適用関係等にある上場会社は、少数株主との間にある利益相反関係を踏まえ、少数株主保護を適切に図る必要がある。
(2) 少数株主保護の観点から必要な上場制度の整備について検討を継続していく(独立社外取締役の独立性確保等)。
(3) 上場子会社や上場する関連会社を有する上場会社では、少数株主保護を適切に図る必要性が生じることも踏まえて、どのようにグループの全体最適を図り、中長期的な企業価値向上を実現していくかについても、取締役会で継続的に検討・議論するとともに、自社の株主・投資者への説明責任を果たしていくことが求められる。
(4) 昨年12月に公表の「少数株主保護及びグループ経営に関する情報開示の充実」を踏まえた開示は現時点で限定的であり、株主・投資者の予測可能性を確保する観点からは改善が必要。
会合では、少数株主保護及びグループ経営に関する情報開示の状況に関しても、記載のポイントを踏まえて開示を行う事例集を公表する想定としており、今後の動きに注目する必要があります。
パートナー 大石 篤史
アソシエイト 上村 莉愛
法務デューデリジェンス(DD)における株式パートのチェックポイントを解説。株式に関するDDが不十分だった場合には、M&Aの有効性自体に問題が生じる事態も想定されるため、特に慎重な確認が必要です。
経済産業省は、2023年3月28日、「買収提案に関する当事者の行動の在り方等に関する指針」の原案を公表しました。