M&Aの検討をする際、多くの方は取引銀行に相談をしようと考えているのではないだろうか? 取引銀行には経営状況について細かく相談している場合が多く、財務諸表など様々な資料を出しているので相談しやすいと考えるのだろう。
しかし、M&Aの相談を銀行にする際、どのようなメリットがあるのかしっかり理解している方は意外と少ないのではないだろうか。そこで今回は、M&Aの相談を銀行にするメリットについて説明をする。
わかりやすく説明をするのでぜひ最後まで読んでほしい。
M&Aの相談を銀行にするメリットはたくさんあるが主なメリットは3つに集約されるだろう。
①気軽に相談できる
銀行の担当者と気心が知れている場合、気軽に相談することができるだろう。融資を受けている銀行であれば、経営状況についてもよく把握してくれているのでより具体的な相談ができるのもメリットだ。
気軽に相談ができかつ具体的な相談が無料でできるのは銀行に相談する大きなメリットになるだろう。
②M&Aの相手先を探してくれる
銀行にはたくさんの取引企業があるため、M&Aの相手先を探してくれる可能性がある。特にメガバンクの場合は全国津々浦々支店や法人営業部があるため多くの取引企業を持つ。
最近は、データベースでM&Aの候補企業についてまとめられていることがほとんどのため、銀行にM&Aの相談をすれば、すぐにM&Aのマッチング先を探してくれるはずだ。
なかなか銀行ほど多くの情報を持っている組織はないので多様な取引先の中からM&Aの相手先を探してくれるのは銀行にM&Aの相談をする大きなメリットになるだろう。
③大型案件の場合M&Aの専門部隊が対応してくれる
規模が小さい案件の場合は、支店や地域の法人営業部が担当することになるが、大型案件の場合、M&Aの専門部隊が対応してくれる銀行が多い。
特にメガバンクの場合は、本部にM&Aの専門部署がある。M&Aの専門部署には、当然、M&Aに関する様々なノウハウが蓄積されている。しかも、M&Aの専門部署に配属される行員は非常に優秀なケースが多いため、優秀な担当者に担当してもらえる可能性が高い。様々なノウハウや優秀な担当者に対応して帰るのは銀行にM&Aの相談をする大きなメリットになるはずだ。
また、規模が小さい案件の場合でも、本部の専門部隊が支店や法人営業部のサポートに入るケースが多いので安心して取引することができるだろう。
今回は、銀行にM&Aの相談をするメリットについて説明した。もちろん、銀行にM&Aの相談をして実際に実行しなくても何ら不利益を被ることはない。とはいえ、まずは銀行にM&Aの相談をしてみるのも良いだろう。
文:渡辺 智(メガバンクに11年勤務。法人営業・個人営業に従事)
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