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「中小M&Aガイドライン」広報パンフレットを公開
中小企業庁は12月23日、中小企業のM&Aに関する手引き・指針となる「中小M&Aガイドライン」の広報パンフレットを公開した。パンフレットでは、M&Aの早期判断と事前準備の重要性を説き、実施に当たっては身近な支援機関への相談を呼び掛けている。
M&A成功の秘訣は、売り手も買い手も「決断力」です。即決で判断するためには、中小企業の場合においても、普段からM&Aの対象となる事業をある程度、自社内で明確にしておく必要があります。
相手選びに失敗しないためには、「何でもいいからいい会社を買いたい」ではなく、自社の経営戦略に合致する案件(売り手)を中心に検討すべきでしょう。
買い手側がM&Aを成功させるための勘所をまとめてみましたのでご参考ください。
・事業シナジーが見込めるか?
・社風や企業文化は合うか?
・自社の身の丈に合っているか?
・相手先の従業員から協力してもらえるか?
M&Aのメリットは「1 + 1」以上の相乗効果をもたらす点にあります。買収後のイメージがまったく描けない場合は、失敗する確立が高いといえるでしょう。
また、売り手企業の従業員の心をつかむことも重要です。「あの人たちと一緒に働きたい」、「今まで通りやっていけそうだ」と思ってもらえるかどうかもポイントとなります。
M&Aの交渉過程において、初期は売り手と買い手の金額に開きがあることがほとんどです。金額をあいまいにしたまま話を進めた結果、最終段階で金額の折り合いがつかず破談となることもあります。こうなる前に、条件交渉の際にはしっかりと「自社が考える投資判断基準」を伝えることが大切です。
大切なのは「安く買い叩こう」という発想ではなく、「その会社を買収することで、今後事業をどう発展させていくか」、「買収した企業でどう収益を上げていくか」という視点です。
買い手企業は通常、決算書の数字を見て、買収の価値があるかどうか判断しますが、そればかりでは売り手オーナーの気持ちがそがれてしまいます。
最初は「数字」を見て、最後は築き上げた会社を手放すオーナーの「気持ち」を理解することでM&Aがまとまる可能性が高くなります。
「この社長の会社なら引き受けたい」、「この社長に託したい」とお互いの信頼関係が生まれてくると、金額に開きがあった場合や、条件に食い違いがあった場合でも、自然と歩み寄ることができるようになります。
M&Aを行う際、「買収資金」のほかにも追加投資資金が必要となる場合もあります。買収後にかかる資金も計算に入れておきましょう。
・弁護士報酬、買収監査 (デューデリジェンス) 費用
・仲介会社への手数料 (着手金として)
・買収資金 (決済)
・仲介会社への手数料 (成約報酬として)
・追加投資資金、運転資金 (税金なども含む)
・借入金 (買収資金) 元利支払い
最近はM&Aをとりまく市場環境が整備され、中小企業のM&A(売買)情報が入手しやすくなりました。一方で仲介ブローカーや仲介会社から「こういう会社を買いませんか」と案件を持ち込まれる機会も増えています。
自社にマッチするお相手と出会うには、トップ自らがアンテナを張ることが必要です。金融機関やM&A仲介会社などに、自社のM&A方針や希望する相手企業の条件などを伝えておきましょう。
文:M&A Online編集部
これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。
中小企業庁は12月23日、中小企業のM&Aに関する手引き・指針となる「中小M&Aガイドライン」の広報パンフレットを公開した。パンフレットでは、M&Aの早期判断と事前準備の重要性を説き、実施に当たっては身近な支援機関への相談を呼び掛けている。