【フランスベッドHD】M&Aで福祉用具貸与事業を強化

alt
東京・赤坂のショールーム

3件立て続けにM&Aを実施

今年に入り立て続けに3件のM&Aを実施した同社だが、実はこれまではそれほど多くのM&Aを手がけていたわけではない。

これまでに適時開示した主な案件は2件で、そのうちの1件が2020年9月に発表したカシダスの子会社化。同社は介護事業を展開するロングライフホールディング<4355>の傘下企業で、2019年10月期の売上高は15億7600万円、営業損益は1218万円の赤字だった。

もう1件は2010年にさかのぼる。同年1月に韓国の子会社である韓国フランスベッド(ソウル市)を、韓国の医療器具製造会社ソルゴバイオメディカル(京畿道平澤市)に譲渡すること決めた。

韓国フランスベッドは韓国国内の介護事業を確立することを目指し2006年1月に設立されたが、業績が低迷し、回復の見通しが立たない状況となっていた。

このほかに同社が公表しているのは2009年の翼(高松市)、2020年の東洋特殊工事と恵ケアサービスなどで、今年になってM&Aを積極化させていることが分かる。

中期経営計画の達成は困難

フランスベッドHDは2021年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画に取り組んでおり、2021年3月期に売上高560億円、営業利益40億円、経常利益39億5000万円、当期利益25億円の目標を掲げている。

ところが計画に対して遅れが生じていたところに、新型コロナウイルスの影響が加わり、計画数字を大きく下回る見込みとなった。

同社が2020年7月に公表した2021年3月期の業績予想では、売上高は500億円(前年度比4.6%減)、営業利益は25億円(同0.3%増)、経常利益は26億円(同6.7%増)、当期利益は16億円(同5.2%増)にとどまる。

中期経営計画に対して売上高は60億円、営業利益は15億円のそれぞれ未達だが、前年度との比較では、新型コロナウイルスの影響で赤字に転落する企業が続出する中、4.6%の減収は健闘していると言えそうだ。

利益については経費の削減や、堅調に推移している福祉用具貸与事業に人員をシフトするなどして、増益を見込む。

【フランスベッドHDの業績推移】単位:億円、2021年3月期は予想

  2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期
売上高 517.64 524.3 500
営業利益 23.63 24.92 25
経常利益 23.61 24.36 26
当期利益 25.99 15.2 16


NEXT STORY

高齢者は増えているのに、なぜ「葬儀社の倒産」が相次ぐのか?

高齢者は増えているのに、なぜ「葬儀社の倒産」が相次ぐのか?

2019/05/24

葬儀社の倒産が全国で相次いでいる。高齢化が進み、死亡者数は増えるのだから葬儀市場は拡大するはず。なのに、なぜ葬儀社の倒産が相次ぐのか?背景には葬儀の簡素化による価格破壊と、それに伴う競争激化がある。葬儀社はこの「逆風」にどう立ち向かうのか?