ポストM&Aがまず試金石に

M&Aは国内でもいくつか手がけている。2011年にグループ入りしたのがバイオスティミュラント事業を担う旭化学工業。1952年に植物成長調整剤の製造・販売を目的にスタートし、1970年代から輸出で実績を積んできた。2010年にはチェコのプラハに現地販売会社を設けている。

2014年にはビーアンドエル(東京都千代田区)からステビア資材事業(現・OATステビア)を取得。南米原産のキク科の多年草であるステビアを素材とした100%天然の有機農業資材を取り扱う。

国内農業は就業人口の減少や高齢化で縮小が続く一方、世界的には増え続ける人口を背景に食糧の増産が急務になっている。しかし、地球環境保護の観点から、これ以上森林破壊が許されず、限られた耕作地での作物の増収が不可欠となっている。こうした中で、食糧増産への貢献を掲げる「アグリテクノロジー企業」として、OATアグリオの出番は一段と増しそうだ。

今回の大型海外M&Aは業界の耳目を集めているが、本当の試練は買収手続き完了後に始まる。買収後の統合プロセスの道筋を誤ると、統合によるシナジー(相乗効果)の発揮はおろか、経営の屋台骨を揺るがせかねないだけに、ポストM&Aのかじ取りが何よりも注目される。

写真はイメージです:フランス中東部のブルゴーニュ地方

文:M&A Online編集部