公開日付:2017.07.27
2016年度決算(2016年4月期~2017年3月期)の上場企業3,062社の外国法人等株式保有比率は11.4%だった。調査を開始した2010年度(2010年4月期~2011年3月期)から、6年連続で上昇していることがわかった。
業種別の外国法人等株式保有比率の最高は、電気・ガス業の16.7%(前年度17.7%)だった。次いで、金融・保険業の15.1%(同15.1%)、製造業の12.8%(同12.2%)、水産・農林・鉱業の12.6%(同11.9%)、不動産業11.6%(同11.8%)の順。最低は卸売業の8.5%(同8.3%)。
外国法人等株式保有比率が10%未満は1,783社(構成比58.2%)で約6割を占めた。一方で、50.0%以上は35社(同1.1%)にとどまった。
外国法人等株式保有比率の最高は、米国オラクル社の日本法人で東証1部上場の日本オラクル(株)の87.2%。次いで、リーバイ・ストラウスジャパン(株)の84.1%、(株)ユニバーサルエンターテインメントの79.2%が続く。
円安で上場企業の業績改善が進み、株価の割安感もあり、外資の株式保有が上昇したようだ。
※本調査は年度(4月期~3月期)決算を対象期間に、東証などすべての証券取引所に株式上場する企業で、2010年度から2016年度まで7期連続で比較可能な3,062社を対象(変則決算企業は除く)とした。
※有価証券報告書で「株式等の状況」の所有者別状況(普通株式)の外国法人等を集計。
※業種分類は証券コード協議会の定めに準じた。
2016年度の上場企業3,062社の外国法人等株式保有比率は11.4%だった。前年度より0.3ポイント上昇し、調査を開始した2010年度以降、毎年最高記録を更新している。
2012年度後半、円高から円安に為替がシフトした結果、外国法人等株式保有比率は2012年度の8.5%から2013年度9.8%、2014年度10.8%と上昇。さらに業績改善が顕著となり、上場企業の外国法人等の株式保有比率は上昇を続けている。
上場企業3,062社の外国法人等株式保有比率は、10.0%未満が1,783社(構成比58.2%)と約6割を占めた。次いで、10.0%以上20.0%未満が610社(同19.9%)、20.0%以上30.0%未満が376社(同12.2%)、30.0%以上40.0%未満が179社(同5.8%)、40.0%以上50.0%未満が79社(同2.5%)と続く。50.0%以上60.0%未満は20社(同0.6%)、60.0%以上は15社(同0.4%)で、50.0%以上はわずか35社(同1.1%)だった。
また、外国法人等株式保有比率がゼロも58社(同1.8%)にとどまった。
取締役解任など会社の支配権は、株式保有比率の50.0%超が必要だが、外国法人等が50.0%超の株式を保有するのは35社(構成比1.1%)と、まだ目立つ水準になかった。
株式の併合、定款の変更、事業譲渡の承認、会社の解散など、株主総会の特別決議事項を単独で可決できる株式保有比率の3分の2以上(66.6%超)を外国法人等が保有するのは11社(構成比0.3%)。総会招集請求権、役員の解任請求権に必要な3.0%以上を外国法人が株式保有するのは1,929社(同62.9%)で、上場企業の6割を占めた。
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年7月31日号に「外国法人等株式保有比率ランキング」を掲載予定)