コンパクトさ、機能面でも今ひとつの「mini」

たとえば「小型機」の決め手となる「mini」のサイズは、現行「SE」との比較だと高さが6.9mm、幅が3.1mm小さいだけで、厚さは逆に0.1mm大きくなっている。重量も15g軽い程度だ。「mini」の方が0.7インチ大きいディスプレーを搭載しているなど小型機としての完成度は高いが、現行「SE」に比べると飛躍的にコンパクトなわけではないし、初代「SE」よりもかなり大きい。

機能面でも物足りない。背面カメラは現行「SE」が広角レンズだけなのに対して「mini」は超広角レンズも搭載しているが、画素数は同じ1200万画素のまま。記憶容量も変わらない。決め手とみられていた第5世代移動体通信(5G)規格も、日本で発売されるモデルは低速の「サブ6GHz帯」にしか対応しない。売り物のはずの5Gだが、従来の4G LTEよりも格段にスピードアップするわけでもなさそうだ。

スペック比較表
モデル名iPhone12 miniiPhone SE(第2世代)iPhone SE(第1世代)
価格(税別)7万4800円〜4万4800円〜5万2800円〜(発売当時)
ディスプレーサイズ5.4インチ4.7インチ4インチ
ディスプレー有機EL液晶
通信方式5G(サブ6GHz帯)4G LTE
背面カメラ広角 超広角広角
画素数1200万画素
CPUA14 BionicA13 BionicA9
ビデオ再生時間最大15時間最大13時間
耐水性能(30分間)水深6メートル水深1メートルなし
記憶容量64GB 128GB 256GB32GB 128GB
サイズ(高さ×幅×厚さ)131.5×64.2×7.4mm138.4×67.3×7.3mm123.8×58.6×7.6mm
重量133 g148 g113 g

アップルはiPhoneなどの端末販売よりも、コンテンツやアプリ流通を収益源として重視していく方針だ。そのため、より高速大容量の5G化を全モデルで展開していくのは確実。つまり「SE」第3世代は5G対応の可能性が高く、早ければ2021年春に投入される。廉価版だけに、5G対応となっても価格はそう変わらない。

一方、5Gの本命で格段の高速大容量通信を実現する「ミリ波」も、次の「iPhone13 mini」では日本向けモデルで利用できるようになるはずだ。「小さいiPhone」を望むユーザーは安価な「SE」第3世代か、2021年秋に発売される「13 mini」を待つ方が賢明だろう。

文:M&A Online編集部