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早稲田大学大学院経営管理研究科 鈴木一功教授に聞く MAOガールインタビュー(2)

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鈴木一功 早稲田大学大学院経営管理研究科教授

-ところでゼミはどのように運営されているのですか。

早稲田ではMBAを取得するビジネススクールでのゼミとなっている。私の担当するプログラム(ファイナンス専修コース)では、半年ごとに先生が代わって3人で1年半の指導を行い、論文は1人の先生が指導する。研究テーマでM&Aの希望があればそれを取り上げる。授業ではその分野で過去にどういう論文があったのかをまとめた論文集(サーベイ論文)を用いる。

例えばM&Aであれば、企業を買収する際に、株で買ったケース、現金で買ったケース、合併のケースなどがあり、さらにプレミアムの水準や買収発表時に株価がどうなったかなど、いろんな切り口がある。それを一通り見てまとめるということをやっている。3人のゼミの先生と、そのうちの1人の先生が卒論の指導を行うという体制で、ゼミのほか一般の授業と合わせ2年間のコースとなっている。ファイナンス専修コースでは、受講者のほとんどが社会人だ。

自社株対価のM&Aの改正  大きな効果は期待薄

-4月から自社株対価のM&Aで税制改正が実施されます。

いろんなオプションがあるのはいいこと。今までも禁止されていたわけではないが、自社株対価のM&Aを実施すれば、その段階で株を売っていないのに税金を取られる。このため実質的にはできない状態だった。これが正常化されるということなので、基本的にはいいことだと思う。新しい制度ができれば使う人が現れ、件数は増えるだろう。

ただ、これで何か劇的に変わるかというとどうだろうか。この制度で海外の企業を買うとなると、相手国の税制なので、日本の税制改正は直接は影響しない。となるとクロスボーダーではこれまでと変化がないわけで、効果が期待される対象は国内の大型案件になってくる。

国内の大型案件では何が残っているだろうか。大型の経営統合案件はほぼやってしまったのではないだろうか。敵対的買収のケースでは使われるかもしれないが、この制度改正で大型のM&Aが劇的に増えるとは思えない。そもそも日本企業は余剰現金を多く持っており、自社株対価のM&A手法を使わなくても現金でM&Aができる状況にある。

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M&A Onlineはサイトリニューアルに伴い、学生レポーターによる取材コーナーを設けました。「初代MAOガール」には、早稲田大学に在学中の山口萌(やまぐち・もえ)さんが就任。山口さんは文化構想学部で、政治や経済、文化、社会など学際的な広い分野の学問に取り組んでいます。