■取引スキーム

このタイプのM&Aの場合は、事業譲渡会社分割等のスキームにより、「欲しいもの(機能)だけを買いたい」買い手と、株式譲渡により、「まとめて売りたい」売い手との間で、取引スキームの交渉になることが多く見受けられます。

しかし、各機能が有機的に繫がって価値を紡ぎだしている企業体を、必要な機能だけ切出すというのは現実的いにはあり得ないことがほとんどで、多くのケースでは、取引が成立するためには、買い手が会社全体を引き受けて、自社のバリューチェーンにそれをどう統合していくか(または部分的に整理するか)を考えることが現実的と思われます。

PMIのポイント

分割スキーム等により守備よく特定機能や経営資源のみを買収できる幸運なケース以外は、ターゲット企業の事業を継続しつつ、特定機能を自社のバリューチェーンに組み込んで活用するためにどうするべきか、統合後の双方のバリューチェーンのリ・デザインとその実行が最大のポイントとなります。

守備よくコストシナジーまで実現できれば満点といえそうですが、効率的にそこに至るには、買収前の段階で、ターゲットのマネジメント層と統合プランをきちんと共有・合意しておくことが重要と思われます。FAのみならずこうした領域に専門性がある外部専門家をうまく活用できるかどうかも重要です。

今回のコラムでは、垂直統合型のM&について考察してみました。次回は、「多角化型のM&A」について考察してみたいと思います。

本記事は、IGNiTE CAPITAL PARTNERS ホームページより転載しております