うっかり間違いやすい社名シリーズの第2弾をお届けします。えっ、そうだったのと思ってもらえれば幸いです。M&A Onlineらしく、ホットなM&Aの話題に絡めてトップバッターは産業ガス国内首位で世界5位の大陽日酸<4091>。

同社は7月初め、同業で世界3位の米プラクスエアから欧州事業を約6400億円で買収すると発表しました。そんな超大型の取引を手がけた大陽日酸ですが、読み方は「たいようにっさん」で同じでも、「太陽日酸」としばしば間違えられるのが悩みの種といいます。
「大西洋」をつい「太西洋」と書いてしまうような、思い込みによる勘違いといえるでしょう。ちなみに、太陽を名乗っているのは電子部品メーカーの「太陽誘電」、石油元売りの「太陽石油」などが代表的ところです。
大陽日酸は2度の大きな合併を経て誕生しました。1995年に大陽酸素と東洋酸素が合併して大陽東洋酸素となり、さらに2004年に日本酸素と大陽東洋酸素が合併して現在にいたります。今回の6400億円という買収金額は2018年中の日本企業がかかわるM&Aで3番目のスケール。武田薬品工業によるアイルランド製薬大手シャイアー(買収金額6兆8000億円)、富士フイルムホールディングスによる米ゼロックス(6710億円)に次ぐものです。

後に「ブルドックソース事件」と呼ばれるようになった日本のM&A史に残る出来事が起きたのは11年前の夏。事件の当事者は、「Bull-Dog」(ブルドッグ)のマークで食卓でおなじみの会社ですが、社名はというとブルドックソースなのです。「グ」ではなく「ク」。注意が必要です。案外落とし穴かも知れませんね。家電量販店大手のビックカメラ<3048>も、同じように「ク」です。念のため。
そのブルドックソース事件とは? 2007年、米投資ファンドのスティール・パートナーズがブルドックソースに対するTOB(株式公開買い付け)の実施を発表。ブルドックの経営陣は反対し、6月の株主総会で導入が承認された買収防衛策を翌7月に実行しました。敵対的買収者であるスティールの持ち株比率を引き下げることを目的とし、「有事」の買収防衛策の発動は日本で初めてでした。
話を戻すと、ブルドックソースの名称は1926(大正15)年から使っています。ソースの発祥地の英国ではブルドッグがシンボル犬として愛されていました。大正末期には日本でもソースが家庭に広がり始めました。それでは「ク」にした理由は? 「ブ」「ド」「グ」と濁音が続き、語呂が今一つとして敬遠されたようです。
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