一般的に経営企画というとエリートの集まりで、一人でバリバリ仕事を進めていくイメージがある。実際はどうなのか。中期経営計画の策定やM&Aの交渉などを手がけるエア・ウォーター<4088>の経営企画部を訪ねてみた。
エア・ウォーター社長室経営企画部の北川裕二部長(執行役員)の朝は早い。午前6時に起き、新聞を読んで朝食を取ればすぐに出社する。早く会社に行って午前8時半位までにメールを読み、よく考えなければならない仕事をこなすためだ。
出社する人が増えてくると、いろんな仕事が入り、電話もかかってくるため、なかなかじっくりと仕事ができない。「今日はこれをしようと思っても全くその通りにならないというのがほぼ毎日」と北川部長は苦笑する。
同社経営企画部の仕事は、中期経営計画の策定、事業戦略の立案などがあるが、もう少し地味な仕事もある。市場調査や技術の市場性の判断、収益性の計算などがそれだ。
地味な仕事の中にはM&Aによってグループ会社になった企業のサポートなどもある。例えばエア・ウォーターの稟議制度や、社内手続きが分からない場合は書類作成の手伝いを行う。またグループ会社が多くなったため、グループ内にどんな会社があるのか、紹介したりすることもある。
「ちょっとしたエアウォーターツアーを行うこともある」(北川部長)ようで、関連しそうなグループ会社をいっしょに訪問し紹介するという。「よく分からないことや、ややこしいものは経営企画部が引き受けるという感じ」(同)だとか。
エア・ウォーターの中期経営計画は、2018年度が3カ年計画の最終年度のため、新しい計画を2018年の下期から半年位かけて作り、2019年の4月から新しくスタートする。このようにスケジュールがはっきりと決まっているものもあるが、基本的にはルーチンワークはほとんどない。突然言われる仕事がほとんどだ。
事業部門からの依頼には当該の事業部門に教えてもらいながら、どのようにするのがいいのかを決めていく。事業部門の方は自身である程度、解決策を用意しており、これをどういう風にまとめ、経営に上げるかを判断する。決して一人だけでできる仕事ではないという。
こうした仕事のやり方は新入社員であっても同じで、事業部門の相談に対応したり、M&A に取り組んだりする。もちろん先輩や上司といっしょになってチームで取り組み、経営企画部として結論を出すため、一人に任せっきりになることはない。
テレビで見る記者会見などで、司会役を務めているのは広報部門の担当者であることが多い。記者の質問に答えていることもある。広報って一体どんな仕事なのか。安川電機<6506>の広報・IR部を訪ねてみた。
東京商工リサーチの調べによると、2017年3月期決算の上場企業2,430社の役員総数は2万8,465人。このうち女性役員は957人で、全体のわずか3.3%にとどまっている。