ある日突然上司が外国人になったら?外資系企業の社員に限らず、たとえあなたが日本の会社に勤めていたとしても、外資による買収や合併によってある日突然外国人が上司になることもありうる時代になった。その場合、外国人上司と働くという今までと異なった環境に身を置くわけだが、実力を発揮して正当に評価されるのはそう簡単なことではない。本稿では特に欧米企業出身の外国人上司を想定して、高く評価される部下の行動原則についてふれてみたい。
最初に注意が必要なのは、日本人の美点といわれる協調性や集団行動が、実は低い評価のもとになりかねないという点だ。日本人のビジネスパーソンにありがちなのが、空気を読んで自分の意見を控えたり、衝突を回避しようとする行動だ。
意見対立が感情的なしこりを生み人間関係を壊すといったリスクを避けたいと考える。それでも意見が対立する場合は、パワーバランスに則って一方が折れるか、「大局的見地」という曖昧な決着がはかられる。過去何十年も続いてきた強固な終身雇用制度のもとではぐくまれた、日本独特の長期的な人間関係を最優先する価値観が、こうした過度の協調性や集団行動の背景にあると言われているが、終身雇用という言葉が死語になりつつ今日でも、この状況は変わっていないように見える。