公開日付:2016.09.16
全国の社長130万人のデータから浮かび上がった「社長像」は、「大学」卒、趣味は「ゴルフ」、自宅は「持家」に住み、誕生日は「みずがめ座」で、「1月1日」生まれの「佐藤」さん。
東京商工リサーチの「TSR経営者情報ファイル」から130万6,639人の社長のデータを分析すると、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)に充足した幅広い目標に邁進する姿がみえてくる。
130万人の社長のうち、売上高100億円以上の企業(本調査では大企業と定義)の社長は1万2,727人で、全体の1%に過ぎなかった。大企業と全企業の社長の趣味は、「読書」や「スポーツ」など同じ趣味が上位に並ぶが、「無趣味」が全企業で2位に対し、大企業は9位と差が出た。売上規模で社長がオンとオフを使い分ける余裕に違いが出た格好だ。最終学歴では「大卒」が、大企業8割、全企業5割と差が開いたが、全企業で「中卒」が3万7,104人(構成比6.7%)と大企業の社長数を上回った。規模の違いはあっても、社長への道は「学歴」より起業意欲の時代を迎えているようだ。
※本調査は「TSR経営者情報ファイル」130万6,639人の経営者データを活用し、項目別に抽出し分析した。
全企業の社長の自宅は、「持家」が9割の67万9,252人(構成比90.4%)で、大半が自宅を所有している。賃貸マンションや借家、公団などの「賃貸」は5万6,177人(同7.4%)、「社宅」は1万5,316人(同2.0%)だった。
中小企業は会社資産が乏しく、金融機関は貸付に際しリスク回避から社長に不動産などの担保提供を求める事が一般的だ。このため高収入を得やすい側面だけでなく、社長は資産形成の一つとして「持家」による信用力アップを迫られ、「持家」比率が9割という高率につながったとみられる。
一方、大企業の社長は中小・零細企業より個人保証や私財の担保提供を求められるケースが少ないため、「持家」は6,786人(同86.7%)と全企業を下回った。次いで、「賃貸」の637人(同8.1%)、「社宅」の399人(同5.1%)の順。大企業は社宅の比率が高いが、大企業は福利厚生面の充実に加え、社長の決断スピードも求められ、会社に近い「社宅」で通勤時間の短縮を図っている可能性もある。