ニューヨーク・タイムズ紙(7月11日)は、中国に流れこむドイツ自動車メーカーの動きに着目した。中国政府は大気浄化と排気ガス削減の努力の一環として、EVの生産と販売を補助金により推進してきた。同時に「世界の製造業大国」を目指す中国政府主導の「メイド・イン・チャイナ2025」計画の根幹をなす新エネルギー車(NEV)市場を、外国企業に開放すると公約している。
同記事は独メーカー(フォルクスワーゲン=VW、BMW、コンチネンタル、ダイムラー)が市場開放を受けて、立て続けに具体的な計画を示していることに触れ、「そろって世界最大のマーケットである中国を狙っている」と説明した。
特にBMWとダイムラーは、米国から中国への生産切り替えを狙う。上海でのテスラの製造発表もこの流れに沿うものであり、ドナルド・トランプ米大統領を不愉快にするだろうと同記事は指摘。トランプ大統領が貿易戦争をしかけるのは、北京の手から技術を守るためでもあるからと類推したうえで、「しかし、今やハイテク自動車産業はトランプ大統領の手元を離れ、中国めがけて動いているようだ」とコメントした。