閑話休題(6) 会社の起源と変遷

会社という制度の起源は古代イタリアにあるそうです。当時のイタリアは地中海貿易の中心地で、その貿易に使われたのがもっぱら船でした。しかし嵐や海賊などに遭遇すると一度に船も積荷も全て失ってしまうことになるため、この貿易は極めてリスクが高く、売り手だけあるいは買い手だけの負担ではとても続けられないビジネスだったのは想像に難くありません。そこで考え出されたのが、売り手も買い手もそしてその他第三者もお金を出し合ってリスクを分担しようとする仕組み、つまり会社でした。

こういう会社は航海ごとに結成され、航海が終わると分け前を分配して清算されていたのですが、この会社が一航海が終わったあとも事業を継続させる仕組み、世界初の株式会社になったのが1602年設立されたオランダ東インド会社だそうです。

一航海ごとに清算されていた昔の会社と、オランダ東インド会社以来現在に至っている株式会社も、お金の出し手、事業の舵取り、そして事業の遂行を担う人の役割分担の構図は大きくは変わっていないと言えます。

この株式会社の仕組みは合理的ではありますが、21世紀になった今もほとんど当事者の役割分担が変わってないというのは、すこし時代遅れの気がします。

この明確な役割分担が利益相反を引き起こし、軋轢を産みます。
従業員も経営者も株主も、可能な限り同じ利益を共有できる従業員株主制度のような、そんな仕組みが利害関係者全員にとって望ましい姿なのではないでしょうか。

文:クロス・ボーダー・ブリッジ株式会社 代表取締役 藤原裕

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