大学発ベンチャーの「起源」(33)  each tone

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生きている人のためのコミュニティーも

声や身体の動き、作品の色合いや描いた線の特徴なども収集しながらネット上のデジタル墓地を構築していく。つまり、葬られる人が手掛けた芸術作品が「墓石」なのである。かっこいい墓をデザインし、ネットで公開して「一丁上がり」という手軽なサービスではない。

会員向けの「コミュニティー」も併設し、芸術を中心とした展示・セミナー・ワークショップなどを通じて、充実した人生を楽しむための気づきやきっかけ、出会いの提供の場とする。バーチャル「墓地」ではあるが、亡くなった人向けではなく、生きている人たちを対象にした創造と学びの場でもあるのだ。

「víz PRiZMA」のデザインは東京藝大デザイン科出身者が担当し、バーチャル墓地を管理するブロックチェーン技術は「東京大学ブロックチェーン起業家支援プログラム」や「Web3 FoundationのGrant」の採択を受けたArtreeとコラボした。

会員は入会時に50万円(消費税別)を支払うだけで、年会費などを支払わずに死後30年間サービスを利用できる。通常の墓地に比べると、料金も安い。家族や友人などの関係者がスマートフォンなどを使って、いつでもどこでも「墓参り」ができる。

each toneはバーチャル墓地サービスに留まらず、「アート思考」「デザイン思考」などの芸術的な発想で世界をとらえ、「アートプロジェクト」で社会課題を解いていくことを目標としている。これからも新たな「芸術的」なサービスを展開していくことだろう。

文:M&A Online編集部

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メロディ・インターナショナルは香川大学発のIoT(モノのインターネット)を利用した医療支援ベンチャー。同社顧問で胎児の状況を監視する「ドップラー分娩監視装置」を開発した原量宏香川大瀬戸内圏研究センター特任教授の研究成果をベースに起業した。