アイセック(新潟市)は、新潟大学発のビッグデータ分析・活用ベンチャー。2020年7月10日に同大学の研究成果や人材を活用して立ち上げた企業を認定する「新潟大学発ベンチャー」第1号に選ばれた。

ビッグデータで健康寿命を延ばす

同社は新潟大医学部血液・内分泌・代謝内科学教室と共同で、地域の健康医療ビッグデータを分析して、住民の健康寿命を伸ばしたり、病気予防に役立てたりする事業を手がけている。最高マーケティング責任者(CMO)には曽根博仁同大学院医歯学総合研究科血液・内分泌・代謝内科学分野教授が就任した。

木村大地最高経営責任者(CEO)は2011年に東京でオンライン診療ベンチャーを設立するなど医療系ビジネスの経験があり、出身地である新潟での新たな起業を考えていたという。そこで新潟大の曽根教授と共同で、医学的エビデンス(科学的根拠)を活用した社会課題の解決と膨大な研究成果の社会実装を図ることにした。

健康寿命を延ばす試みとして、透析など重症合併症が進行するリスクが高い糖尿病治療中断者を医療ビッグデータ分析で自動検出して実態を把握、自治体との連携により治療再開を促すなどの活動に取り組んでいる。

医療ビッグデータ分析は、重篤な疾病にかかる前に予防的な行動や生活習慣の改善を促す「未病対策」としても有効だ。「どれぐらい運動すれば、こうした健康上のメリットがある」といったような科学的事実をデータから探り出し、病気にかからない身体づくりや健康寿命の延長などを実現できる可能性がある。

病気によってどのタイプの運動がいいのか、ある個人にとってどの程度の飲酒なら問題はないのかといった細かい条件で適切な分析と提案ができるよう、ビッグデータによるエビデンスの発見を目指していく。

こうした成果を元に行政の健康施策立案(EBPM=evidence-based policy making)をサポートし、健康保険組合や企業の健康経営の展開などにも役立てる。アイセックは新潟市と提携しており、「新潟大学発ベンチャー」を機に提携先を拡大していく。

文:M&A Online編集部