サイキンソー(東京都渋谷区)は「細菌叢(さいきんそう)で人々を健康に」をスローガンに、細菌叢DNA検査データを元にした健康支援サービスを手がける大阪大学発ベンチャー。2020年9月28日には今後の活躍が期待される大学発ベンチャーを表彰する「大学発ベンチャー表彰2020」で文部科学大臣賞を受賞した。

腸内細菌のDNAデータベースで「未病」を探る

社名となっている細菌叢のDNAを調べる「マイキンソー」の検査キットで収集した大規模な腸内細菌叢データプラットフォームを用いて、被験者それぞれの体質や健康状態に合わせた健康なライフスタイルの提案に取り組んでいる。

細菌叢とは生きた微生物集団の全体を指す。人体内部には常在する細菌叢がある。特に大腸には多数の細菌が生息しており、その重さこそ体重70kgの成人男性で200gに過ぎないが、人体の全細胞数を超える約40兆個の細菌細胞が活動しているという。

人体の細菌叢は「ヒトマイクロバイオーム」と呼ばれ、腸内細菌叢などで病気との関連性が研究されてきた。サイキンソーは大阪大学微生物病研究所との共同研究で腸内細菌叢の検査・解析技術を開発した。

同技術を使って同社が集めた2万件を超える国内最大級の検体ビッグデータを元に、生活習慣病や循環器系疾患、免疫疾患などの「未病」を検知。発病を抑えたり症状を改善したりする健康支援サービスの提供を目指す。

一般企業との協業も進んでいる。2019年12月にドラッグストアチェーンを展開するココカラファインが一部店舗で「マイキンソー」の店頭販売を開始。2020年3月にはパナソニックと共同で、腸内フローラ解析結果から個人の腸内の状態に合わせた食生活を提案するサービス「おいしく腸活」を期間限定で発売した。4月にはダイセルと資本業務提携している。

5月にはパソナとベネフィット・ワンが在宅勤務者を対象とした健康支援策として「マイキンソー」を利用した「腸活」支援サービスを導入している。企業の福利厚生としての大口利用も期待できそうだ。

2019年10月には大阪大学ベンチャーキャピタルなどを引受先とする第三者割当増資を実施し、総額で1億9000万円の資金調達に成功。投資家からも注目されている。

文:M&A Online編集部