人機一体(滋賀県草津市)は、作業用大型二足歩行ロボットを手がける立命館大学発のスタートアップ。2007年10月に設立、同大学の先端ロボット工学を基礎として、油圧では実現できない緩・急・剛・柔の自由自在な力制御ができる電動モーター技術や、緻密な重作業に欠かせないマスタースレーブ(複数の機器が協調して動作する際に、複数の機器の制御・操作を司る「マスター」機と、マスター機の一方的な制御下で動作する「スレーブ」機に役割を分担する)技術などを得意としている。

本社は「秘密基地」、研究開発は大真面目

同社プレスリリースより

立命館大学は「西の早稲田」とも称される京都の名門私大。反骨精神と進取の校風があるとされる大学発のベンチャーだけに、ユニークな取り組みが光る。ロボットアニメよろしく、2018年7月に完成した本社社屋には「秘密基地」を冠する。金岡克弥社長も「金岡博士」と名乗る。イメージとしては株式会社というよりも「秘密結社」だ。

しかし、この会社が取り組んでいるビジネスは大真面目。最先端のロボット工学を駆使して、社会課題としての「重労働」の解消を目指している。そのためにロボット制御やプログラミングなどの専門知識を持たない現場作業員が、ロボットを道具として直感的・直観的に操ることができる技術をパッケージ化して提供するという。早い話が「誰でも簡単に動かせる作業用ロボット」の実現だ。

二足歩行して人間同様の作業をこなす人型協働ロボットは、1980年代からホンダ<7267>や国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)などが研究開発に取り組んできた。ところが技術的な難度が高く、2010年代に入るとすっかり下火になってしまっている。その「高い壁」を乗り越えようとしているのが人機一体なのだ。