オプティアム・バイオテクノロジーズ(愛媛県東温市)は、2020年6月30日に創業したばかりの愛媛大学発のバイオ医療ベンチャー。同大学発のベンチャーとしては、初めて医学部に拠点を置く。免疫治療効果の高い抗体を利用し、白血病をはじめとする難治性がんの治療薬開発に取り組む。

愛媛大学の予算を受けて設立

同社は2018年度の「愛媛大学学長特別強化経費事業」で、ベンチャー企業の事業化を目的とした「産業支援強化事業」として採択され、予算配分を受けて設立に至った。愛媛大が同社にかける期待は大きい。

同社の創業科学者の1人である越智俊元特任講師は、2010年に同大学院医学系研究科博士課程を修了。同大学院医学系研究科血液・免疫・感染症内科学講座助教時代の2016年5月には、第7回日本血液学会国際シンポジウムで「TCR鎖中心性を応用したがん特異的T細胞応答性の適正化」を発表し、「Best Oral Presentation Award」を受賞した新進気鋭の研究者だ。

がん以外の難病治療にも

越智特任講師の研究は、がんに対する新たな免疫遺伝子治療法の開発がテーマ。免疫系によるがん細胞の認識機構を明らかにすることで、副作用の危険性を減らしつつ、効果的にがん細胞を排除するための免疫療法の実用化に結びつくという。

越智特任講師に加えて同大学院の竹中克斗教授、山下政克教授、愛媛県立医療技術大学の安川正貴学長のグループが遺伝子改変技術を応用し、免疫治療効果の高い抗体を効率よく作製できる新技術「Eumbody System」を開発した。がん細胞と結合したり攻撃を持続したりする、バランスのよい免疫細胞を効率的につくることができるという。

同社はこの技術を活用して、大学・研究機関や製薬企業などと連携しながら創薬支援事業や独自の医薬品開発を進める。免疫はあらゆる病気から人体を守るために備わった機能だ。それだけに応用範囲は広い。同社ではがん以外の難治性疾患(難病)治療に役立つ抗体医薬品の開発も視野に入れている。

文:M&A Online編集部