2017年マクドナルドの客数は前年比109%で推移

下の表を見てください。

モスフード売上・客数・客単価推移
モスフード売上・客数・客単価推移(同月対比実績をもとに筆者作成)

この表は、2017年4月~2018年10月までのモスバーガーの売上高(ブルー)、客数(オレンジ)、客単価(グレー)の推移を表したものです。前年同月との対比です。

まず、2018年8月から85%近くまで急落しているのがわかります。これは食中毒の影響です。当然、急速な客離れを引き起こしました。

注目したいのは、長期的な客数の推移です。前年同月比で、100%をほとんど超えていないことがわかります。同社の2017年の客数は前年比98.5%。モスバーガーは、少しずつ客離れを引き起こしていたのです。

同期間をマクドナルドで比較してみます。客数が100%を下回ったのは2018年7月のみ。驚異的な集客力を発揮しています。グラフは前年同月比の推移なので、右肩上がりで客数が増えていることを示しています。同社の2017年の客数は前年比109%。2018年も103.8%で推移しています。

モスバーガーをもっとさかのぼってみてみましょう。

2015年4月からの推移です。長期推移でみても、客数が伸びていないことがわかります。2015年の客数は97.2%、2016年は97.7%でした。3年連続で前年を下回っているのです。

客単価が大きく膨らんでいる個所があります。2015年5月から翌4月までです。ここが値上げ効果です。売上に大きく寄与しています。客数を見てください。値上げが客足にほとんど影響していないことがわかります。値上げする前の年の客数は96.5%。値上げ前から客足は遠のいており、価格改定が客数減少の直接的な原因ではありません。

実はここがポイントです。

同社は値上げで客離れを引き起こしませんでした。これは価格をベースにして、顧客が店を選んでいないことを表しています。裏を返せば、軸で集客するブランドではありません。すなわち、安売りやポイント還元などの価格軸で集客しにくいのです。この価格軸に左右されないブランドこそが、最大の差別化となるのです。

同社は2018年3月に学生限定の「部カツバーガー」を250円で販売しました。400円~500円の幅が中心となるモスバーガーでは異例の安さです。しかし、この「部カツバーガー」は話題になることもなく、キャンペーンが終了しています。これは、価格軸で集客できないことを示す好例です。