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【みずほフィナンシャルグループ】メガバンクが描くマイナス金利時代の経営戦略

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 金融機関においての課題の一つがフィンテックへの対応力であり、各銀行とも強化を急いでいる。地方銀行においても随時「フィンテック事業化推進室」のような部署の設置が始まっている。静岡銀行はネット証券大手のマネックスグループや家計簿ソフトを扱うネットベンチャー「マネーフォワード」への出資を行った。マネーフォワードの取り扱う家計簿ソフトや会計ソフトとの連携は既に各行が行っており、インターネットバンキングのシステム強化についても従前より取り組みがなされている。しかしながら、楽天銀行のような自社の販売チャネルと連携したビジネスモデルに対抗できるだけの施策が無いのが現状である。

 中国においては電子商取引最大手のアリババ集団のネット決済サービス「アリペイ」の普及に伴い、同国の既存の金融機関は「eコマース(インターネット商取引)」のプラットホームを立ち上げ応戦している状況である。このようにネットビジネス企業の金融市場への新規参入は各国で起こっており、対抗施策を講じることができるか否かが金融機関の課題である。決済機能のスピード化や利便性の向上のみでなく、消費者の購買行動を含めた囲い込み戦略が必要である。

 大手銀行についてはグループ会社や全国および海外のネットワークを駆使した対策を講じることが肝要と言える。特にECサイト運営企業の金融参入は脅威であり、対抗すべくシステムを早急に立ち上げるか、逆に連携を強化するかの判断が迫られる。

 ビットコインを主とする仮想通貨市場は「ブロックチェーン(電子上取引履歴台帳)」の技術革新により、金融機関にとって今後無視できない存在である。決済システムにおいても、クレジットカードやマネーチャージのシステムの普及により、今後は銀行口座の必要性そのものが危惧される。例えばスターバックスの「スターバックスカード」の事前チャージ型決済サービスの利用者が韓国においては200万人を突破し、チャージ総額は200億ウォン(約21億円)を超えたとの事であり(15年12月18日付日本経済新聞朝刊より)、金融機関を脅かす存在となりつつある。これらの新興勢力や新システムは当然に既存の金融機関にとって「競合」以外の何物でもない。金融機関にとって「連携支援型フィンテック」による自行商品およびインフラの充実は急務であると同時に、金融機関の機能そのものの代替機能を果たす「競合するフィンテック」に対する対応策も必要である。

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