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ついに露天販売まで!マスク不足解消の兆し−近く「投げ売り」も

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不織布マスクで「早期売却」の動きが加速

市場規模が小さく品不足解消の見込みが立たない医療機関向けのN95マスクは別として、問屋など中間流通業者も一般向け不織布マスクの需給緩和を把握しているはずだ。輸入ブローカーが持ち込む不織布マスクを高値で引き取ることはしなくなる。

そこでブローカーが、日ごろ中国からの輸入商品で取引があるアクセサリーや雑貨などの販売店に不織布マスクを高値で売りさばいたわけだ。ドラッグストアやスーパーなどの「一般ルート」で欠品状態の現在なら不織布マスク30枚入り1箱が税込み3800円前後で売れるため、雑貨店も積極的に仕入れてくれる。

だが、アマゾンなどの通販サイトで同価格帯の不織布マスクが「在庫あり」に切り換わり、雑貨店などでも値崩れを警戒して仕入れを絞り込む局面に入ったようだ。行き場をなくした不織布マスクが最後に行き着くのは露天販売商。販売価格も同2500円と、雑貨店やネット通販よりも3割以上安い。

東京都心のオフィス街で不織布マスクを販売する露天商。販売個数の制限もない(2020年4月23日撮影)

既存の仕入れルートで不織布マスクを買い付ける供給者側は、近く仕入量が増加して市場価格も落ち着くとみている。大量のマスク在庫を抱えるブローカーとしては、一般消費者が「まだ品不足」と思い込んでいるうちに売り抜ける必要がある。近く「投げ売り」になる可能性も高い。

ドラッグストアやスーパーなどの店頭に不織布マスクが山積みされるようになれば、ブローカーは値崩れどころか大量の売れ残り在庫を抱えることになるからだ。倉庫代もタダではない。供給がだぶつき引き取り手のない原油の先物価格がマイナスになったように、いずれは「損切り」を迫られる。

行き場を失った大量の不織布マスクが、病院などの医療機関に「匿名の寄付」という名目で送りつけられるかもしれないが、それは迷惑でしかない。ブローカーが「損切り」を決断する頃には、不織布マスクが既存の仕入れルートを通じて医療機関に安定供給されているはずだ。

しかも、どこの誰が生産し、どういうルートで流通したのかも分からないマスクなど、安全最優先の医療機関が使えるはずもない。結局は「廃棄費用」を医療機関に肩代わりさせるだけになる。マスク不足解消は大歓迎だが、それに伴う「迷惑行為」が起こらないことを祈りたい。

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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