道路舗装大手、前田道路をめぐる敵対的TOB株式公開買い付け)が第2ラウンドに入った。前田道路が20日、総額535億円の特別配当を実施することを発表した。前田建設工業が実施中のTOBへの対抗策だ。4月14日に開く臨時株主総会に諮る。

基準日は3月6日で、同日時点の株主が1株650円の特別配当を受け取れる。前田建設によるTOBは現在3月4日(1月21日~)を期限とする。

「道路」の純資産が変動、対応迫られる「建設」側

今回の特別配当は前田道路が1月20日に公表した2046万株(500億円超相当)の自己株式取得方針に代わる株主還元策と位置づけている。特別配当の実施による資金流出で、その分、前田道路の純資産が減少し、企業価値が変動することから、前田建設側はTOB条件の見直しや、TOBそのものの撤回を迫られる可能性もある。

また、仮に、前田建設が現状のまま強行突破を図ろうとすれば、既存株主に合理的な説明が行えないおそれがある。同社は、前田道路の措置によるTOBへの影響などについて確認中とするリリースを発表した。

前田建設は約861億円を投じて現在約25%の持ち株比率を51%に高め、前田道路を連結子会社化する予定。これに対し、前田道路は「相乗効果が見込めない」としてTOBに反対し、資本関係の解消を求めていた。

市場価格+特別配当、TOB価格を上回る

前田道路は1株あたりの買付価格は3950円。20日の前田道路の終値は3400円で、買付価格が市場価格を500円以上上回り、多くの株主にとってはTOBに応募した方が有利な状況にある。ただ、1株あたりの特別配当650円を同日時点の市場価格に加えると、合計4050円となり、前田建設が提示する買付価格を超える水準となる。

前田道路は有利子負債残高がゼロで、2019年12月末時点の現金・現金同等物は850億円超保有し、総額500億円を超える特別配当を行ったとしても資金繰りに問題が生じることはないとしている。また、2020年3月期末の配当予想(100円)に変更はない。

文:M&A Online編集部