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【敵対的TOB】デサント対伊藤忠だけではない、過去にこんな例も

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デサントが2月6日、東京・渋谷にオープンした旗艦店

スポーツ用品大手、デサントに対する伊藤忠商事の敵対的TOB株式公開買い付け)の成否に注目が集まっている。日本では敵対的TOBそのものが年に1件あるかどうかで、数が限られるが、大手企業同士が争うケースとしては2006年の王子製紙が仕掛けた北越製紙への敵対的TOB以来、13年ぶりだ。

ここ数年の敵対的TOBはいずれも成立だが…

TOBの実施が発表されると、株式の買い付け対象企業の取締役会は10営業日以内に賛成、反対、中立、留保などの意見表明を行わなければならない。大半のケースでは、対象企業の賛同を得て友好的にTOBを行うが、伊藤忠は事前に通告せずに、1月31日にTOBを開始した。

デサントは7日、「伊藤忠の利益を優先した経営がなされる危険がある」として反対を表明、株主に対して買い付けに応じないよう要請した。

では実際、敵対的TOBはどのくらいあるのだろうか。M&A Onlineの集計によると、2018年と2017年が各1件、16年はゼロ、15年が2件。TOB件数は年間50件前後で推移しており、敵対的案件はほんの一握りであることが分かる。ただ、これら4件の敵対的TOBはいずれも成立した。

その顔ぶれをみると(前者が買い手/後者が対象企業)、18年=日本アジアグループ/サンヨーホームズ、17年=実業家の佐々木ベジ氏/ソレキア、15年=旧村上ファンド系のECMマスターファンドSPV/セゾン情報システムズ、テクノグローバル/新華ホールディングス・リミテッド。

もっとも、これら4件はそろって小ぶりの案件。国内大手企業同士となると、2006年の王子製紙・北越製紙の攻防にさかのぼる。いわゆる「北越製紙対王子製紙事件」だ。

北越製紙、王子製紙との経営統合を阻止

製紙トップの王子製紙(現王子ホールディングス)が同業大手の北越製紙(現北越コーポレーション)に対して経営統合を目的に敵対的TOBに踏み切った。北越は三菱商事を引受先とする新株発行を強行するなどして、王子のTOBを阻止したのだ。

過去においては敵対的TOBの多くが失敗している。05年の日本技術開発に対する夢真ホールディングス、06年のオリジン東秀に対するドン・キホーテのTOBは不成立となった。弁当・総菜大手、オリジン東秀のケースでは、イオンが友好的な第三者(ホワイトナイト)となり、オリジン東秀を傘下に収めた。

買収防衛策を日本で初めて発動したブルドックソース

後に「ブルドックソース事件」と呼ばれるようになった日本のM&A史に残る出来事が起きたのは07年夏。

ブルドックソース本社(東京都中央区)

投資ファンドのスティール・パートナーズがブルドックソースに対するTOBを発表したが、ブルドック経営陣は反対。6月の株主総会で導入が承認された買収防衛策を実行に移した。敵対的買収者のスティールの持ち株比率を引き下げるのが目的で、“有事”の買収防衛策発動は日本初だった。スティールは同年、天竜製鋸にもTOBを行ったが、こちらも失敗した。

敵対的買収の成功例では2011年、独立系国内投資ファンドのDRCキャピタルが登山用品店「好日山荘」を運営するコージツを完全子会社したのがそれにあたる。

伊藤忠はデサント株30.44%を保有する筆頭株主TOBで40%まで持ち株比率を高める計画。一方、対抗策としてデサント側は友好的な第三者を獲得してMBO(経営陣による買収)による非公開化も視野に入れているとみられる。敵対的TOBが成立するのか、これを阻むことになるのか。

〇主な敵対的TOB(〇は成功、太字は失敗)

買い手 対象企業
2000 〇独ベーリンガーインゲルハイム エスエス製薬
2001 村上ファンド 昭栄
2005 夢真ホールディングス 日本技術開発
ライブドア ニッポン放送
2006 ドン・キホーテ オリジン東秀
王子製紙 北越製紙
2007 米スティール・パートナーズ ブルドックソース
米スティール・パートナーズ 天竜製鋸
2011 〇DRCキャピタル コージツ
2013 米サーベラス 西武ホールディングス
2015 〇ECMマスターファンドSPV セゾン情報システムズ
〇テクノグローバル 新華ホールディングス・リミテッド
2017 〇佐々木ベジ氏 ソレキア
2018 〇日本アジアグループ サンヨーホームズ

※社名は当時のもの

文:M&A Online編集部

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