伊藤忠によるデサントへの株式公開買付(TOB)は、デサントが意見表明報告で反対方針を表明したことで、敵対的TOBと定義づけられることになった。
(1) 直前の株価1871円に対して、買付価格が2800円と高いこと(49.7%のプレミアム)、(2)買付株数が発行済株式の10%程度と低いことを勘案すると、対抗的なTOB(MBOを含む)が経営陣等によって提起されるなどの新たな展開がない限り、TOBの成立自体は間違いない。TOB終了後、伊藤忠はデサントの40%の株式を保有することになる...
後編はMBOで「経営陣が会社を安く買い叩けない」理由を掘り下げる。2006年以降に発生した様々な事件やそれを受けたMBO指針が経営者を委縮させているようだ。