2018年第4四半期には一貫して調整局面にあった日経平均株価は、2019年1月に入ると自律反発局面に入ったとみられます。しかし、1月下旬からの企業の12月決算の発表はあまりポジティブな反応が見られず、引き続き業績予想の下方修正が散見されます。また、消費増税による消費減の懸念や不動産市況の悪化の懸念もあり、実体経済の不透明感は今なお晴れたとは言い難い状況にあります。

足元のTOBは、伊藤忠商事によるデサントへの敵対的TOBが話題になるなど一定の活況を維持していますが、企業の投資意欲が上向く材料は見当たらず、事業会社による積極的な事業拡張を目的としたTOBは低調となる可能性が高いでしょう。一方で、株価が6か月以上低迷しているような企業のMBOやバイアウトは「活性化する可能性がある」というシナリオを維持したいと思います。また、グループ再編型のTOBは一定の取引量を維持するものと考えられます。引き続き、親子上場会社の子会社に注目です。

2018年第4四半期(10-12月)の国内株式TOBの概況

2018年第4四半期に公表された国内株式を対象とするTOBは15件でした。ただし、うち2件は1つの対象会社に対する第2段階のTOBですので、実質的には13件と考えられます。

直前四半期の公表件数は12件、前年同期の公表件数は19件でしたので、前年同期比ではTOB市場はやや鈍化がみられるものの、なお一定の活況を維持した状況にあります。

15(13)件のうち、4(5)件が、親子上場会社における上場子会社の非上場化を目的として実施したものでした。うち3件が親会社による完全子会社化、1件(2件)がファンドによる上場子会社のバイアウト(親会社とディスカウントTOBで実質的相対取引を行い、一般株主向けに第2段階のTOBを実施)でした。他方、上場を維持する連結子会社化を目的としたものが2(1)件(創業者との相対取引のためのディスカウントTOBと一般株主からの取得のための第2回TOBの2段階)あり、全体として親子上場数は2社の減少となりました。

その他、上場会社による上場持分法適用会社の非上場子会社化(共同投資家とのJV化)が1件、上場会社による持分法適用上場会社化が2件、上場会社によるバイアウトが2件、MBOが1件、筆頭株主エグジットのための取引が1件、創業者一族内の持ち株移動のためのディスカウントTOBによる実質的相対取引が1件ありました。