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【廣済堂】TOB期間を延長、次の一手はあるのか

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廣済堂が本社を置くビル(東京都港区)

中堅印刷会社の廣済堂<7868>をめぐるTOB株式公開買い付け)が成立か不成立かの瀬戸際に立っている。廣済堂は2月26日、米有力投資ファンドのベインキャピタルと組んで1月18日から3月1日まで30営業日の予定で実施中のTOBの期間を3月12日まで7営業日延長すると発表した。

TOB価格の引き上げを模索か

旧村上ファンド系の投資ファンド、レノ(東京都渋谷区)が廣済堂株式を買い進めていることが2月初めに判明し、以降、同社の株価はTOB価格の610円を上回る高値で推移している。このままでは3月1日を期限とするTOB応募が買付予定数の下限(66.67%)に届かず、不成立の可能性が高まっていた。ひとまず1週間の猶予期間を得たことで、今後、局面転回に向けてTOB価格の引き上げを模索することになりそうだ。

今回のTOBは廣済堂の土井常由社長ら経営陣の要請に基づくMBO(経営陣による買収)の一環として行われている。買付主体はベインキャピタル傘下のBCJ-34(東京都千代田区)で、廣済堂の完全子会社化を目的とする。買付金額は152億円。TOB価格の1株610円は公表前日の終値に43.87%のプレミアムを加えた額。TOBの実施が発表されると、当該企業の株価は上昇するのが一般的。廣済堂の場合も、1月17日の発表当日419円だった株価は翌日499円に急伸した。

その後も株価はうなぎ上りで、早々にTOB価格を超えた。2月6日には一時848円と昨年来高値をつけ、TOBの行方ががぜんあやしくなった。

旧村上ファンド系の“参戦”で流れが変わる

想定外の株価上昇を招来するきっかけは旧村上系ファンドであるレノの“参戦”だ。同社が2月4日に提出した大量保有報告書で廣済堂株式を5.83%取得したことが判明。さらに買い増しを進め、9.55%まで保有割合を高めた。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。

さらに18日、廣済堂の創業家大株主の櫻井美江氏と、同社監査役の中辻一夫氏がTOBに反対を表明し、先行きが一層不透明になっている。

27日の終値は729円(前日比9円安)とTOB価格を19%上回る。既存株主の多くがTOBに応募するより、市場で売却した方が得な状況だ。このままではたとえ買付期間を1週間延長したとしても、募集予定まで株式が集まらず、TOBが不発となる公算が大きい。

事態を打開するとなれば、TOB価格の引き上げが浮上する。他方、今回は不成立やむなしと判断すれば、一定の時間を置いたうえで再TOBに望みを託す選択肢もある。

同様にMBOに絡んでTOBを仕切り直しした例は1年前にもある。マグロ運搬船を運航する東栄リーファーライン(ジャスダック上場、当時)は昨年2月、TOB価格を1株800円と前回より約3割引き上げて再トライし、成立にこぎつけた。

実は、東栄リーファーのケースでもレノを含めて旧村上ファンド系の2社が大株主として突如浮上して流れが変わり、TOB価格を超える株価上昇で一度は不成立に終わった。結果的に旧村上系ファンドの参戦がTOB価格の引き上げに作用した。

ベインキャピタルに秘策はあるのか

今回のTOBを主導するのは“百戦錬磨”のベインキャピタル。ベインキャピタルといえば、2017年に経営再建中の東芝が半導体事業を2兆円で売却する受け皿の日米韓連合を取り仕切ったことで知られる。1週間の猶予を得て、秘策を練り上げることになるのか。

TOB発表後の廣済堂株価(終値)の推移

日付 株価 出来事
2/27 729円
2/26 738円 TOB期間延長を発表
2/18 709円 創業家大株主、監査役の1人がTOBに反対を表明
2/8 720円 レノの保有割合が9.55%に高まったことが判明
2/6 792円 一時、848円の昨年来高値
2/4 707円 レノの大量保有(5.83%)が判明
1/22 609円 出来高が前日の60倍以上に膨らむ
1/18 499円 TOBを開始
1/17 419円 TOBMBOによる非公開化)を発表
1/16 424円 TOB発表前日

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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