「M&A仲介会社」が提供してくれるサービスとは

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写真はイメージです

中小企業や小規模事業者にとって最後にして最大の経営課題は、自身のリタイアに伴う会社や事業の引き継ぎ、すなわち事業承継の問題です。

さらに、2020年春から世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症により、考えていた以上に早く、この問題に直面している経営者も多いと思います。

事業承継には、家族や親族に引き継がせる「親族内承継」、役員・従業員に引き継がせる「親族外承継」、そしてM&Aにより会社や事を外部の第三者にゆだねる「第三者承継」という方法があります。

ただ、M&Aは第三者が対象のため、一般的な経営者は、M&Aについてのスキーム(手法)やノウハウなどは分かりません。

そこで、M&Aによる第三者承継を行うためには、M&A仲介会社など外部の専門事業者に依頼し、さまざまなサービスを受けることになります。

M&Aサービスを提供する事業者の種類

M&A事業者といっても、売手・買手の経営規模やM&Aの目的などからいろいろな事業者があります。

また、M&A事業者が提供するサービス形態には、売手・買手のいずれか一方に着任する「アドバイザリー形式」と、両者の間に入り中立的な立場から売手・買手を総合的に支援する「仲介形式」があります。

仲介会社

売手・買手の間に入ってM&Aの仲介を行う会社です。さまざまな経営規模の事業者を対象としますが、最近は中小企業等のM&Aを多く手がける傾向にあります。

業務の着任形式は仲介形式が多く、中立的な立場から売手・買手を総合的に支援します。

公認会計士(監査法人)、税理士(税理士法人)などの士業

主に、自らのクライアントに特化した場合が多いようです。また、そのクライアントを仲介会社に紹介することもあります。

銀行などの金融機関

大手の金融機関や証券会社では、大企業を対象にしたアドバイザリー形式によるものが多くみられます。そのため中小企業のM&Aにはあまり積極的ではありません。

一方、地方銀行や信用金庫などの場合、地域内の企業を対象としたM&Aサービスを手がける傾向があります。

M&A仲介会社が提供するサービス

M&Aサービスを提供する事業者の中でも、M&A仲介会社はさまざまなサービスを用意しています。売手・買手双方を対象にしたものには、以下のようなものがあります。

売手・買手双方にとって最適なパートナーを見つけ出すこと

M&A仲介会社は、売りたい、買いたいといった情報を多数データ化し保有しています。こうしたデータと数多くの経験・ノウハウを駆使して、双方に最適なパートナーを紹介します。

最近は、︎売手・買手に関する膨大なデータをもとに、双方に最適なマッチングを可能にする「M&Aプラットフォーム」も提供しています。

売手・買手双方にとって最適なM&Aストラクチャリングの提案

売手のできるだけ高く売りたい、買手のできるだけ安く買いたいといった目先の思惑にとらわれず、M&A仲介会社は、中立・客観的な立場からM&Aストラクチャリング(クライアントのM&A目的にあった手法を選び、どのように実行していくかの検討)を提案します。

その結果、売手には経営者や家族のその後の生活設計、従業員の雇用の維持、取引先・融資先との良好な関係の維持や発展を、そして買手にはシナジー効果による企業価値の増大、新規事業展開など総合的なM&Aの最適化を可能にします。

適時に最適な専門家を活用できる

M&A仲介会社は、法務、税務・会計、人事などに精通した専門スタッフとの幅広いパイプを多く持っています。

デューデリジェンス(DD)の際、こうした専門家の知識・ノウハウをM&A仲介会社を通じ適時に受けることができます。

そのため、売手・買手が独自に専門家探しを行うよりもコスト削減でき、費用対効果の面からもM&Aを効果的に行えます。

このように、M&Aサービスを提供する事業者にはさまざまなものがあります。中でも、M&A仲介会社は中立・公平な立場から上記のようなサービスを提供し、売手・買手双方に最適なM&Aを実現します。

こうしたM&Aサービスを最大限受けるためにも、「信頼関係の構築」を重視したM&A仲介会社選びが重要になります。

文:特定行政書士 萩原 洋

M&A Online編集部

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