超ローコストな新幹線導入を可能にするFGT導入

実は新幹線には、もう一つ別の規格がある。「新幹線鉄道規格新線」いわゆるスーパー特急だ。こちらはミニ新幹線とは逆でレール幅は在来線と同じ1067 mmとして建設するものの、路盤やトンネル、高架橋といった構造物はフル規格で整備するため線形が改善され、同200km以上の高速走行が可能になる。

ただし、レール幅が異なるため、フル規格の新幹線との相互乗り入れにはFGTが必要となる。北陸、九州新幹線(鹿児島ルート)などで導入される予定だったが、フル規格での建設に変更されたため、スーパー特急規格の新幹線は存在しない。現存する唯一の計画路線は長崎新幹線の新鳥栖―武雄温泉間だったが、FGT断念でスーパー特急構想は完全に消滅した。

JR四国では新幹線建設のメドすら立っておらず、2010年に四国の経済界や自治体の代表で立ち上げた「四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会」では、在来線の路線を一部改良する変則的なスーパー特急での新幹線導入を検討していた。要は「FGTをそのままの在来線で走らせる」構想だ。

瀬戸大橋の鉄道部分はフル規格の新幹線を想定して建設されている。(Photo By Tennen-Gas)

これはミニ新幹線のようなレール幅拡張工事やスーパー特急のようなフル規格並みの本格的な工事が不要な「超ローコストの新幹線計画」といえる。極端な話、FGTさえあれば新幹線と在来線を接続する駅構内の工事だけで済む。