経済産業省は3月13日、大手電力会社の発電事業と送配電事業を分社化する法的分離(会社分割)を認可した。2016年に分社した東京電力、発送電一貫体制を続ける沖縄電力を除く8社と電源開発が、4月1日から新たな事業形態に移行する。

発送電分離は2015年の電気事業法改正に基づく措置。小売り参入自由化など一連の電力システム改革の最終段階に位置付けられる。大手電力会社の送配電部門を切り離すことで、送配電網の使用について新電力との公平な競争環境を整える狙い。

北海道、東北、北陸、関西、中国、四国の6電力会社と電源開発は、発電・小売を担う親会社の下に送配電会社を設置する。中部は東京と同様、電気事業を行わない持ち株会社に小売、送配電、発電の子会社をぶら下げる。

発送電分離で発電、小売事業が活性化すれば電気料金の引き下げが期待され、大手電力会社も送配電網の維持・管理負担を軽減できる。半面、発電、小売と一体的だった事業を分割することで、コスト効率の低下を招く可能性が指摘されている。

資源エネルギー庁によると、全販売電力量に占める新電力のシェアは2016年4月の全面自由化直後に5.2%だったが、2018年9月時点では14.1%まで拡大。同じく291者だった登録事業者数も、543者(2018年12月時点)に増えている。

〇分社化の形態と分社後の会社名

分社方式現行会社名分社後の会社名
発電・小売親会社方式 北海道電力 北海道電力ネットワーク
発電・小売親会社方式 東北電力 東北電力ネットワーク
持株会社方式 東京電力*東京電力パワーグリッド、東京電力エナジーパートナー
持株会社方式 中部電力*中部電力パワーグリッド、中部電力ミライズ
発電・小売親会社方式 北陸電力 北陸電力送配電
発電・小売親会社方式 関西電力 関西電力送配電
発電・小売親会社方式 中国電力 中国電力送配電
発電・小売親会社方式 四国電力 四国電力送配電
発電・小売親会社方式 九州電力 九州電力送配電
発電親会社方式 電源開発 電源開発送変電ネットワーク

*東京電力は2016年4月に分社化済
*東京電力・中部電力の火力発電事業は2019年4月にJERAへ統合済

経済産業省「法的分離(2020年4月1日)以降の各社の事業形態」より

文:M&A Online編集部