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いま、「ホントに用心しないといけない国」はどこだ?

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現在、161の国の信用リスクを開示している

カントリーリスク・マップの海外M&Aでの使い勝手は?

 では、最近は一般的となってきた海外M&Aの現場で、このカントリーリスク・マップは生かせるのか。

「カントリーリスク・マップは、いわば継続取引を前提とした信用情報などの基準に基づいて作成しています。そのため、継続取引ではなく『投資』と判断できる海外M&Aの際に、直接的に生かせるものではありません。しかし、M&Aのあと、たとえば買収企業ではその国の企業と継続取引を行うことになる。その企業が所在する国の継続取引を前提としたリスク判断に活用するケースは想定できます」(田中氏)

M&Aを行う際に直接的な判断材料とはしにくいが、M&A後において、シナジーを発揮できるような企業活動を継続して進めていく際には判断材料の1つとなり得る。

今後、より有益な信用リスク情報を提示するには、継続的なモニタリングが大事

「実際、当社に新規に保険契約いただいた顧客にそのきっかけを聞くと、M&Aによって海外取引が頻繁に発生し、対象国の企業の信用リスクに対して担保する必要性を感じて契約した、というケースもあります」(ペレズ氏)。

海外に限らず、取引信用保険は「倒産企業数が増えているから急いで入っておいたほうがよいという性質のものではなく、安定した取引を続けているから入らなくてもかまわないといった性質のものでもない」(田中氏)。

まったくリスクのない状態はあり得ない以上、常に取引のリスク分析を行い、想定されるリスクをヘッジするために行うものだ。カントリーリスク・マップがリスクの分析と評価に役立つものとするには、「継続的なモニタリングが必要です」(ペレズ氏)という。

M&Aにかかわる人にとって、こうした継続したモニタリングを通したリスクの詳細分析は、今後ますます重要になってくるだろう。

取材・文:M&A Online編集部

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