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【会計コラム】形骸化しがちな内部統制の構築

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3.チェッカーが”その気になる”環境を

何でもかんでもダブルチェックする内部統制はあまり良い方法とは言えません。確かに不正の機会は減らせますが、経営上はコスト増になります。

しかしながら、ミスができない安全分野や重要契約については、コストをかけてでもミスを防ぐ必要があります。もしチェック者が「どうせほかの人がチェックしているのだから自分のチェックは無駄」「チェックしたふりをして書類だけ整えたほうが会社のためだ」と感じ、手を抜いてしまったら、前述したワナにはまっていることになります。

チェックという行為には「非生産的」「コスト」というイメージがついて回りがちです。こうした空気そのままでダブルチェック、トリプルチェックを増やしていっても、本当に無駄な作業になってしまいます。本当にミスを起こしたくないのであれば、チェック者には「この作業は安全のための最後の砦だ」「この作業で会社を守るんだ」といった意識をもって、それぞれチェックをしてもらわなければいけません。

そのためには、例えばチェック作業に対して社内での評価をきちんとする、無事故・ノーミス等の成果につながった時はチェック者も表彰するなど、社内でのRecognition、本人のモチベーションを高め、誇りをもってダブルチェックや安全装置のメンテナンスに当たってもらう環境にすることが必要です。

環境も含めて統制が効いているか考え、必要な統制であれば環境から変えることも必要ですし、そこまでする意味がないのであれば簡素化も検討すべきです。どういう意識で統制を行っているのか社内の意識調査などを行うのも1つの方法でしょう。

J-SOXも制度導入から10年超となり、形骸化に悩む会社もあると思います。本当に内部統制を機能させたいなら、それを支える環境にも目を向けていただきたいと思います。

文:三木 孝則(ビズサプリCEO 公認会計士)
株式会社ビズサプリ メルマガバックナンバー(vol.094 2019.4.3)より転載

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