ビズサプリの三木です。今回は、役員報酬と報酬委員会の役割を取り上げます。
日産のカルロス・ゴーン元会長の事件が世の中を騒がせています。背任行為があったかとともに焦点があたっているのが役員報酬です。
責任やリスクの大きさを考えるとある程度報酬が高いのも納得するとしても、通常の勤め人からすると天文学的な報酬額で、「こんなにもらっていたのか!」「がめつい!」と驚いた方もいらっしゃると思います。一方で、その人が経営することで会社に100億円のメリットがあるならば、会社としては90億円を払っても経営してもらったほうが良いことになります。
経営者といえど人ですから、報酬の仕組みによって行動は左右されます。そして経営者の行動は会社の命運を左右するので、経営者報酬もまた会社の命運のカギとなっています。
会社の役員(取締役など)の報酬は、金額や算定方法を定款に定めるか、株主総会での決議によって決まります。株主総会で上限を定めて配分を取締役会に任せることは可能ですが、総額まで取締役会に一任することはできません。取締役の報酬を取締役会が決めてしまっては、勝手に増額してしまいかねないためです。
なお、一口に報酬といっても色々なものがあります。業績や働きぶりに関係なく支払う固定報酬がありますし、業績連動報酬にも、どのような業績に連動させるか(売上/利益/株価/増収・増益率/ROE等の指標)、対象とする業績は短期か複数年かによって多様な仕組みができます。
他企業に引き抜かれないための防衛としての報酬も考えられます。払い方も、金銭で払う場合、ストックオプションとする場合、福利厚生など現物で提供する場合など多様です。
報酬委員会を設置していても、上記の報酬決定の仕組み自体に変わりはありません。報酬委員会のメンバーもまた取締役ですので、すべてを任せるわけではなく、株主の目は入れる仕組みとなっています。
報酬委員会の大きな業務は、報酬体系の設計とその見直しです。
<設計>
報酬委員会は、どういう報酬体系にするのかの設計を行い、株主総会で決議された枠の中で、取締役と執行役の中での金額配分を担います。最も重要なのは報酬体系の設計です。上述の通り報酬は経営者の行動を左右しますから、適正な報酬体系になっていないと経営者の行動がゆがみます。
通常は複数の報酬のミックスとします。例えば、経営の前提として生活の安定を保証する固定報酬を〇〇%、業績連動報酬を〇〇%、ストックオプションを〇〇%といった具合です。取締役や執行役が株主の利益に合う行動となるよう、適度なインセンティブ性のある体系が必要です。ただし、粉飾決算を画策したり、短期的な利益を追い求めて長期投資に無関心になってはいけませんから、バランスが重要です。
<見直し>
また、報酬が支払われた後には、その報酬が適正だったかの振り返りが必要です。完璧な報酬体系というものはなく、ビジネス環境の変化によっても適正な報酬体系は変わります。そこで報酬委員会は、支払われた報酬について、経営者の行動を正しい方向に導く効果があったか、見直しは必要かを検証します。
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