5月上旬は決算発表のラッシュ時期です。2019年は皇位継承に伴う10連休が明けて最初の金曜日となる5月10日に決算発表が集中すると予想されています。

決算発表の中心となるのが企業の財務情報を集約した「決算短信」と呼ばれる書類です。決算短信にはどのような情報が記載されているのでしょうか。今回は決算短信の概要とそれを読み解く際のポイントをお伝えしたいと思います。

決算短信は、いつ、どこで開示される?

決算短信は、企業の決算内容を投資家などに適時に知らせるため証券取引所が上場企業に対して作成・開示を要請している書類です。そのため、企業が公表しなければならない他の適時開示情報と同様、日本証券取引所グループのTDnet(適時開示情報閲覧サービス)で閲覧することができます。

興味のある方は下記URLから現物を閲覧してみるとよいでしょう。

https://www.jpx.co.jp/listing/disclosure/index.html

決算短信を開示する時期の一つの目安は決算日後45日です。3月決算会社であれば、5月15日前後の営業日ということになります。

決算短信の作成方法などを記した「決算短信・四半期決算短信の作成要領等」によると「遅くとも決算期末後45日(45日目が休日である場合は、翌営業日)以内に内容のとりまとめを行い、その開示を行うことが適当」とされています。同時に「決算期末後30日以内(期末が月末である場合は、翌月内)の開示が、より望ましい」ともされています。

実務上は、平日のうちでも特に金曜日に決算短信の開示が集中する傾向にあります。これは決算内容に対して市場が過度に反応し、株価が乱高下することを避けるための予防策と考えられます。つまり、証券取引所が休みである土日の間に投資家にクールダウンしてもらおうという企業側の思惑があるわけです。

有価証券報告書」と「決算短信」は別物?

決算短信の他にも、企業の財務内容を開示する書類としては「有価証券報告書」があります。しかし、両者の間には分量の面でも開示スケジュールの面でも大きな隔たりがあります。

決算短信は十数ページの分量ですが、有価証券報告書は数百ページに及ぶことも珍しくありません。その半面、決算短信の開示スケジュールの目安が決算日から1カ月強となっているのに対して、有価証券報告書決算日から3カ月以内という余裕を持った期限になっています。

なお、決算短信は証券取引所の自主規制として上場企業に作成・開示を要請しているものです。これに対して、有価証券報告書は金融商品取引法上の開示制度により作成が求められるものです。

決算短信は監査法人や公認会計士の監査対象になっていませんが、有価証券報告書の「経理の状況」などに掲載される情報は監査対象となっているという違いもあります。