トップ > ビジネスと経済 > フードビジネス >アダストリアが通期業績を上方修正、買収したゼットンも回復鮮明に

アダストリアが通期業績を上方修正、買収したゼットンも回復鮮明に

※この記事は公開から1年以上経っています。
alt
アダストリアが買収したゼットンが運営する「アロハテーブル」(横浜ベイクォーター店)

屋外型店舗の出店に注力するゼットン

アダストリアの業績で見逃せないのが、レストラン「アロハテーブル」を展開するゼットン<3057>の回復。アダストリアはもともと議決権ベースでゼットンの株式を25%保有していましたが、2022年にTOBを実施して51%に高めました。取得額は16億円。買収総額28億円を投じ、ゼットンを連結子会社化しました。

ゼットンはもともと「ヴァンパイアカフェ」や「バグース」などを運営するDDグループ<3073>の連結子会社でした。ゼットンの創業者・稲本健一氏はDDの取締役に就任し、海外事業を統括するなど精力的な活動をしていました。

状況を大きく変えたのが、新型コロナウイルス感染拡大の脅威でした。DDは2021年2月期に85億円もの純損失を計上。債務超過となりました。稲本氏は海外事業が赤字になった責任をとって2021年2月にDDの取締役を辞任。ゼットンの立て直しに奔走します。ゼットンは2020年2月末時点で自己資本比率が33.4%ありましたが、1年で4.2%まで縮小していました。

ゼットンは2020年11月にキーコーヒー(東京都港区)などを引受先とした第三者割当増資を実施。親会社DDの持株比率は40%を下回りました。

最終的にゼットンは、アダストリアの傘下に入るという決断を下します。

ゼットンは2024年1月期の売上高を前期比27.0%増の115億円と予想しています。

※決算短信より筆者作成

2024年1月期の売上高は、2021年2月期(ゼットンは2023年に決算期を変更)の数字を上回る予定です。

近年は、商業施設の屋上や公演の敷地にビアガーデンやバーベキュー場を積極出店しています。ゼットンは居酒屋やダイニングを得意としていましたが、時流を見極めて小回りを利かせた経営を行っています。

麦とホップ@ビールを飲む理由

NEXT STORY

アクセスランキング

【総合】よく読まれている記事ベスト5