ー今後の予定は。
激しい(M&Aの)世界に戻るつもりはない。大学院での授業を通じて後進を育てていきたい。M&Aに関するリテラシーを高められたらと思う。具体的には、M&Aは時間を買うものではない、不可能を可能にするもの、知力と体力が総動員される総合的格闘技…といったこと。大学で教え始めて10数年。少しでも役立っているのなら幸いだ。
ー最後に、次代を担う若い世代にひと言を...
武田薬品工業は英国の制度「スキーム・オブ・アレンジメント」によってアイルランドの製薬会社シャイアーを買収する。これに日本の「産業競争力強化法」の改正が加わり、6兆8000億円という日本企業過去最高額のM&Aが実現した。
大手書店にはM&Aの専門書が入門書から実務書、学術書まで所狭しと並びぶ。そんな中、2月に出版された一冊が『M&A会計の実務』(税務経理協会刊)。仰星監査法人社員(パートナー)で公認会計士の竹村純也さんに執筆の動機や仕事への思いを聞いた。
「企業の多角化」という専門分野から捉えると、無借金経営、キャッシュリッチな企業は、いまこそ『ポートフォリオ・リストラクチャリング』のチャンスでもある」と語るのは、慶応義塾大学商学部の牛島辰男教授である。インタビュー後編は、企業が海外M&Aをより進めていくうえでどうしたらよいか伺った。