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「茅乃舎だし」の久原本家 日本酒の老舗醸造会社「伊豆本店」を子会社化

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久原本家グループの商品

「茅乃舎だし」などを販売する久原本家グループ本社(福岡県久山町)が、1717年創業の日本酒の醸造会社である伊豆本店(福岡県宗像市)の株式を取得し、子会社化した。

久原本家グループは「茅乃舎だし」をはじめとする化学調味料や保存料無添加製品などのほか「博多からしめんたいこ」などを、全国のスーパーや百貨店、商業施設で販売しており、ここに日本酒が加わることで事業領域が広がることになる。

今後、伊豆本店の敷地内建屋を、日本酒と久原ブランドの物販スペースとして改装するとともに、「日本酒と和食のマリアージュ(組み合わせ)など、新たな付加価値を付けた商品、コンテンツを開発する」としている。

「亀の尾」など20種類の商品を展開

伊豆本店は1717年に福岡藩(現在の福岡県北西部)から酒造株を贈られ酒造りに着手したのが始まりで、日本酒の代表銘柄「亀の尾」をはじめ約20種類の商品を手がけており、2023年9月期の売上高は6400万円だった。

同社は久原本家グループ本社の社主である河邉哲司氏の母方の実家であり、久原本家グループは以前から伊豆本店の今後の経営について相談を受けていたという。

久原本家グループでは、両社の強みを生かして、互いに発展的な事業展開のイメージを共有できたとして、子会社化に踏み切った。

地方創生にも注力

久原本家グループは持ち株会社の「久原本家グループ本社」の下に製造部門の「久原本家食品」、販売や飲食事業の「久原本家」、量販店向け事業の「久原醤油」、北海道で事業を行う「久原本家 北海道」、野菜づくりを手がける農業法人の「美田」、海外事業の「久原本家USA」の6社がある。

食品や調味料ブランドの「茅乃舎」をはじめ、あご(トビウオ)を使った「あごだしシリーズ」、うまたれシリーズの「くばら」、北海道の食材などを発信する「北海道アイ」などのブランドを展開している。

2024年2月期のグループ全体の売上高は318億円(前年度比4.9%増)で、2024年2月末時点の従業員数は1319人に達する。

持株会社の久原本家グループ本社は1893年に、しょうゆ醸造業で創業。東京商工リサーチによると2023年2月期の売上高は30億7600万円(同11.4%減)、当期利益は4億2400万円(同43.9%減)だった。

伊豆本店のある福岡県宗像市には、2017年に世界遺産に登録された『「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群』があり、観光地として注目を集めている。

久原本家グループでは伊豆本店と連携し、新たな宗像ブランドの開発などに着手し、地方創生に取り組むとしている。

文:M&A Online

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